2020/7/25

【超入門】日銀がETFの「大物投資家」なのを知っていますか

NewsPicks 編集部 記者・編集者
金融市場や資産運用に興味はあるけれど、マーケットニュースは専門性が高すぎて理解できない。どこから勉強すれば良いのか分からない。そんな人を対象に、基礎知識をひも解いていく連載「MoneyPicksビギナー編」。
今回のテーマは「日本銀行(日本の中央銀行、日銀)のETF(上場投資信託)買い」だ。
日銀は日本のETFの8割を買い占める「大物投資家」であることを、ご存じだろうか。しかも、このコロナ禍でETFを買う金額の規模を拡大させている。
中央銀行が株価連動のETFを買い続けるのは、実は「普通」のことではない。むしろ世界的に見て、極めて特殊な政策だ。
日銀はどの銘柄を買っているのだろうか。株価に影響はないのだろうか。そもそもなぜ、日銀はETFを買うのだろう。
大物投資家・日銀をめぐる議論の基本を分かりやすく解説していく。
INDEX
Q.そもそもETFとは?
Q.日銀はどの銘柄を買っているの?
Q.いつ、どれくらい買っている?
Q.ETFを買う政策はいつ始まった?
Q.なぜ日銀はETFを買っているの?
Q.日銀は「大株主」なの?

Q.そもそも「ETF」とは?

ETF(上場投資信託)は、証券取引所に上場している投資信託だ。2001年に現在の形のETFが始まり、2020年6月現在、東京証券取引所(東証)には221のETFが上場している。
投資信託は投資家からお金を集めて、複数の企業に投資して運用する金融商品。上場していない投資信託は証券会社を通じて買うなど、販売窓口や売買の機会が限定されているが、ETFは上場株式と同じように市場で売買できるのが特徴だ。
ETFは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数、金(ゴールド)や原油などの国際価格など、特定の指標や指数に連動するように運用されている。
例えば、日経平均に連動するETFは、日経平均の値動きとほぼ同じような価格の動きをする。日経平均株価は225銘柄を対象にした指標なので、投資家は日経平均連動型ETFを買うことで、広く薄く225銘柄に投資することになる。
つまり日銀が株価指数連動型のETFを買うことは、間接的に非常に多くの個別企業の株式を買っていることになるのだ。

Q.日銀はどの銘柄を買っているの?