[アトランタ 21日 ロイター] - ロイターの集計によると、新型コロナウイルス感染症による米国の死者は21日に1000人以上増加し、約14万2000人となった。1日当たりの増加数が1000人を超えるのは6月10日以来。

カリフォルニア州では感染者が40万人を突破し、最多のニューヨーク州に迫る勢いで増加している。感染者が40万人を超えるのはニューヨーク州に次いで全米で2番目となる。

専門家らは、多くの州で最近、感染者が記録的なペースで増え、入院率が上昇していることを受け、死者が急増すると警告している。

しかし、一部の州では新型コロナ感染予防策を巡り、知事と地元当局者の間で意見の対立が続いている。

テキサス州のアボット知事は21日、ヒダルゴ郡が求める住民への外出自粛要請を退け、マスク着用やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)の維持で十分との認識を示した。同郡では過去1週間で感染者が59%増加し、死者も倍増した。

ジョージア州では、同州最大都市・アトランタの市民に公共の場でマスク着用を義務付けたボトムズ市長とケンプ知事の対決が続く。ケンプ知事はボトムズ市長を提訴した。

フロリダ州では、8月に学校の全面再開を命じたデサンティス知事を相手取り、教員組合が訴訟を起こした。同州では過去7日のうち6日間で、1日当たりの新規感染者が1万人超となっているほか、先週には新型コロナ検査の陽性率が平均19%に達し、市中感染が起きていることが示唆された。死者は前週比で45%増加した。

デサンティス知事は「状況は2週間前と比べ、かなり改善している。今後も改善が続くだろう」と述べ、新型コロナの入院患者数は安定しつつあると付け加えた。

フロリダ州の病院は受け入れ体制を強化したことから、利用可能な集中治療室(ICU)の病床の割合が約20%と、2週間前から5%拡大している。同州のデータによると、入院患者数は少なくとも9日連続で過去最多を記録した後、21日に減少した。

フロリダ、ジョージア両州では、州全体でのマスク着用は義務化されていない。当初、義務化に難色を示していたテキサス州のアボット知事は今月はじめ、大半の郡で義務化した。