2020/7/23

【超解説】ファーウェイ排除で、「5G」はこう変わる

東 春樹
NewsPicks, Inc. 記者
5Gが乱戦模様になってきた。
昨年からの米国からの制裁に加え、英国も排除に転向したことで、5Gのトップを走ってきた中国ファーウェイが主導権を失う可能性が高まってきた。
ファーウェイを取り巻く包囲網については今も厳しさが増すばかりだが、西側諸国によるファーウェイ排除は、5Gの勢力図にも大きな影響を与えそうだ。
【1分スライド】ファーウェイ包囲網、どこへいく
ファーウェイが受けた制裁の中心となる「基地局」にフォーカスを当てて、整理していく。
2019年制裁では「ノーダメージ」
ファーウェイ排除が一気に顕在化したのは、2019年5月のことだった。
米国商務省が、政府の許可なくファーウェイをはじめとする中国企業から製品や技術を調達することを禁止する「エンティティーリスト」に追加したことが、ことの始まりだった。
だが、実のところ、ファーウェイは、昨年の時点では、制裁を受けながらも業績はなんとか持ちこたえていた。
2019年度のグループ売上高は、対前年同期比19.1%増となる8588億人民元(約13兆3715億円)、純利益は627億人民元(約9762億円)と増収増益を記録。
5Gにも関連する通信事業者向けネットワーク事業においても、前年同期比3.8%増の2967億人民元(約4兆6196億円)と成長を続けていた。
また、通信インフラの要である基地局シェアでも、首位をキープ。
英国の調査会社オムディア(旧IHSマークイット)によれば、携帯通信基地局のシェアは30.8%、5G基地局に限定しても36%を獲得しており、いずれも2位のエリクソン(スウェーデン)を引き離している。
オムディアシニアディレクターの南川明氏は、ファーウェイが制裁下でも売り上げを伸ばすことができた要因について「実際に制裁を実行した国は実は少なかったから」と分析している。