2020/7/22

【プロ直伝】YouTubeをビジネスで「効率的」に活用しよう

BitStar 代表取締役 社長執行役員CEO
視聴者層の拡大によって、YouTubeを「ビジネス」に活用する企業が急増している。BtoC企業だけではなく、うまく活用すればBtoB企業も経営に役立てられるかもしれない。
YouTube活用における「秘伝のノウハウ」を、インフルエンサーやYouTube上の企業コンテンツ支援を行うBitStarの渡邉拓 代表取締役CEOが解説する。

「BtoC企業」だけじゃない

渡邉 「YouTube」といえば、数年前まではまだ若者のためのメディアという位置付けでした。
YouTuberと呼ばれるクリエイターたちは10〜20代が中心で、同世代がかつてのテレビバラエティーを見る感覚で楽しむプラットフォームでした。
しかし、この2〜3年でトレンドは大きく変わりました。
コンテンツの幅が多様化したことで認知が高まり、ビジネスパーソンから60代以上まで、視聴者層が広がりました。特に昨年から芸能人の参入が急増し、一気に大衆化が進んだように感じています。
視聴者層の拡大に伴い、YouTubeをビジネスに使おうという企業も増えてきました。
これまでも、BtoCの企業が商品告知を目的として使うことはありましたが、最近ではBtoBの企業も活用し始めています。
いまやYouTubeは若者やBtoC企業だけのものではなく、うまく活用すれば、あらゆる企業にメリットをもたらすビジネス上の重要プラットフォームになっています。
では、どう活用すれば良いのか。本稿では企業におけるYouTube活用の「教科書」を目指して、丁寧に解説をしていきます。
(写真:Anadolu Agency/Gettyimages)
まず前提として、企業がYouTubeを活用する理由は大きく2つあります。1つは、収益目的です。
パートナープログラムというYouTubeの仕組みに加入すると、スポンサー企業の広告が表示されることでYouTuber(チャンネル)にお金が支払われます。
プログラムへの登録には、チャンネル登録者数が1000人以上、総再生時間が4000時間以上などの条件がありますが、それをクリアできればお金を稼ぐことができるのです。
とはいえ、収益のためにYouTubeを活用しているのは、デジタル化の文脈で取り組むマスメディアがほとんどです。
出版社など、売り上げの下落が大きい活字メディアが危機感を募らせ、3~4年前から映像メディアに挑戦する流れが起き始めました。有名なのは、講談社が運営する「ボンボンTV」です。
そこからテレビ局にも広がり、弊社とも共同で推進している、朝日新聞社や朝日放送テレビなども取り組んでいます。今では既存マスメディアの1つの事業として、YouTubeチャンネルが位置付けられ始めています。
一方で、一般的なブランドはYouTubeで直接的に「稼ぐこと」を目的にしていません。
多くの企業がYouTubeを使う目的は、企業や商品・サービスの認知度向上のためです。ブランディングに使う動きは数年前からありましたが、特に昨年から、一気に増え始めました。
もともと2000年代から企業の公式チャンネルはありましたが、テレビCMのストック場所のようになっていて、情報発信力は強くはありませんでした。
その後、YouTuberが登場し、企業はクリエイターの認知度をいかしたタイアップ広告動画を作るようになりました。
PRと告知した上で、YouTuberたちが企業の商品を紹介します。インフルエンサーマーケティングなどとも呼ばれ、動画がヒットすれば商品が飛ぶように売れる現象も起きました。
しかし今はさらにその先、CMのストック場所としてでもなければ、人気YouTuberに頼るでもない、新しい活用方法が生まれています。
(写真:NurPhoto /Gettyimages)

企業が「YouTuber」になる