英シネアジェンの治療薬でコロナ感染症重症化リスク低減 株価急騰

［２０日　ロイター］ - 英バイオテクノロジー会社シネアジェン<SYNG.L>は２０日、同社の治療薬が入院中のＣＯＶＩＤ─１９（新型コロナウイルス感染症）患者の重症化リスクを低減させたと発表した。英国での１００人以上を対象とした臨床試験データで明らかになったとしている。

同社によると、偽薬と比較し、処方された患者の重症化リスクが７９％低下した。回復傾向は２倍以上となった。

シネアジェンの株価は、１７日終値の３６．５０ペンスから９７．５０ペンスまで急騰した。

コメント

注目のコメント

• 山田 悠史

  マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

  ・2020年07月20日

  シネアジェンが準備したインターフェロン製剤というのは昔から肝炎ウイルスの治療などに用いられてきた薬剤です。ウイルスが体内に侵入した際に身体の中で合成される物質であり、抗ウイルス作用を発揮します。
  
  このうち、インターフェロンβはMERSに有効なことが示唆されており、先んじて香港でこのCOVIDに対しても抗ウイルス薬と併用のランダム化比較試験が行われていました。そちらの試験でも、回復までの期間を短縮することが示唆されていましたが、対照群としてプラセボを用いておらず、バイアスの可能性が懸念されていました。
  
  今回報告されている研究は、プラセボを準備したランダム化比較試験となっており、先の香港の試験よりもバイアスの可能性を減らすことに成功しています。
  
  抗ウイルス薬のレムデシビル、炎症を抑えるデキサメサゾンに加えて、免疫を調整し抗ウイルス作用を発揮する第３の薬剤に躍り出る可能性があります。
• 岡村 聡

  S&S investments 代表取締役

  ・2020年07月20日

  コロナでバイオヘルスケアにおいても米英の先行がクリアに。ワクチンの治験でも米国のモデルナ・ノババックスに、オックスフォード大・アストラゼネカの英国勢が先頭を行っている。アカデミアとベンチャー業界の緊密な生態系が、ITの時に確立されてるからなのか
• 水田 巴

  零細IT屋さん 代表取締役社長

  ・2020年07月20日

  次々出てきますね。こういった、効果のある治療薬がいくつも出て来ていることと、重症化の多くが血栓などポイントが分かってきていることで現在は最初の頃に比べて発症後の治療が適切になされるようになっていることも４－５月までと比べて　重症化や死亡例ががくっと下がって来ていることと関係が深いのではと思います。