史上最大の3D宇宙地図が完成、「宇宙の膨張の完全な物語」
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注目のコメント
小野さん言及ありがとうございます。小野さんはご専門の宇宙工学はもちろん、宇宙科学や宇宙ビジネスと守備範囲が広く驚かされます。私が付け加えることがあるとすれば、以下です。約30年前に発見された宇宙の泡構造の根幹を成すグレートウォールの発見は、40年以上も前に宇宙地図を作るプロジェクトとしてハーバード・スミソニアン天文台(CfA)で始まったCfA赤方偏移サーベイの成果です。CfA赤方偏移サーベイの志と精神はその後、2dF銀河赤方偏移サーベイやスローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)に引き継がれて、今回の三次元マッピング(eBOSS)に繋がっていったと思うと感慨深いですね。
30年くらい前だったか、はじめてこのような宇宙地図が作られ宇宙の泡状の大規模構造が見えて来た、そんなニュースをNHKの宇宙番組で見た覚えがあります。超遠方の銀河をひとつひとつ観測してマッピングする、気の遠くなる作業。最近は自動的に観測し解析もソフトウェアが自動的にやってくれるので、このようなデータ量で攻める科学分野が大きく進歩しました。
なぜ地図を作るのが大事か。見えないものが見えてくるからです。ダークマターは直接は見えませんが、重力による相互作用はするので、銀河が集まっているところにダークマターも集まっているのです。銀河の分布を見るとダークマターの分布が浮かび上がるのです。
さらに、遠方の銀河の位置だけではなく固有運動(スピード)を見ると、過去に宇宙がどのようなスピードで膨張してきたが見えてきます。そこから記事中にあるようにダークエネルギーのことがわかってくるのです。
これ以上は僕は専門ではないので控えておきます。もし僕の書いていることと早崎先生の書かれることが食い違っていれば、早崎先生の方が正しいと思ってください。素晴らしい!科学にまつわる話はどうしても、なぜ?や、どうやって?に向きがち(だし、それらはそれらでとても重要な問い)ですが、まず何よりも基盤となるのは何がそこにあるのかというファクトの部分。そのファクトに関する理解を文字通り次元の違うレベルに引き上げる偉業です。