本を「読んだ端から忘れる人」が知らない記憶術 多読の法律家が見出した「忘れないコツ」

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読書をした後も本の内容を忘れないようにするための方法を紹介(写真:tabiphoto/PIXTA)  
30代の10年間に毎年400冊を読破し、いまも自由気ままに読書を楽しむ法律家の木山泰嗣氏は、読んだ内容を記憶に定着させるために実践していることを著書『「記憶力」と「思考力」を高める読書の技術』で紹介している。
「読んだ端から忘れてしまう」読者は、多読な法律家の方法を試してみてはどうだろうか。

読書は勉強ではない

「少年老いやすく学なりがたし」とよくいわれるのは、大人になってから、本当の学びのために読書を選択する人が少ないからではないでしょうか。

逆にいえば、大人になってからでも読書を始めれば、学生時代に勉強して得た知識を強化することができる側面があります。あまり、勉強を意識した読書ばかりすると、結局、学校教育の強制的な側面に影響を受け続けることになるかもしれませんが、自分の意志で本を選んで読むのであれば、それは自由な読書といえるでしょう。

ここで、「大人の読書は学校の勉強の延長ではない」ということに注意すべきです。例えば、「文学に興味がないのに、無理に芥川龍之介の本を読む必要はない」ということです。

また、「歴史に興味がないのに、無理に『徳川家康』や『太平記』を読む必要はない」ということです。

学校の教科書に登場することはないけれど、面白い本がたくさんあります。それらを読むだけでも、十分に知性は高められ、読解力も、記憶力も向上していきます。

5W1Hを意識して読む

まず、記憶力を高める読書をするためのコツとしては、「5W1Hを意識する」ことが挙げられます。5W1Hというのは、文章の書き方や本の読み方などを解説するビジネス書(技術本)でも、頻出事項だと思います。あるいは、これまで本をあまり読まなかった方でも、先生や上司などから「5W1Hを意識しよう」と教わったことが一度はあるのではないでしょうか。

しかし、この点について実際に読書をするときに意識できている人は、どれくらいいるのでしょうか?

ほかの人が読書をしているときの様子をのぞき込んだことがないので、ほかの人が5W1Hを意識しているかどうかわかりませんが、わたしについては次のことがいえます。

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