2020/7/20

【最新】リクルート、パーソル、パソナ決算にみる「雇用悪化」

NewsPicks 金融ジャーナリスト
新型コロナウイルスで大きな打撃を受けている業種の一つが人材業界だ。
有効求人倍率は5年ぶりの水準にまで悪化し、失業者も急増する中で、人材派遣や人材紹介事業へのダメージが懸念されている。
リモートワークの推進といった働き方の変化で、営業、接客、外勤といった職種の求人が急減。人材ニーズは大きく変化しつつある。
先週金曜日に出そろった総合人材企業大手3社(リクルートホールディングス、パーソルホールディングス、パソナグループ)の業績から人材業界の「今」と「これから」を読み解く。

パーソルは「利益7割減」予想

まず、国内大手3社の業績を簡単に振り返っていく。
最大手のリクルートホールディングスは、2020年3月期売上高が、前年比3.8%増の2兆3994億円。人材派遣事業の売上高は5%減だったが、求人検索サービス「Indeed」を含むHRテクノロジー事業の売り上げが30%も増加し、全体の増収に貢献した。
リクルートの営業利益は7.7%減の2060億円。コロナの影響によって欧州のオンライン美容予約サービス「Treatwell」といった海外事業で310億円の減損損失を計上したことで減益となった。
業界2位のパーソルホールディングスは、2020年3月期の売上高が、前年比4.8%増の9706億円だった。
(写真:角倉武/アフロ)
派遣事業が堅調だった一方で、人材紹介(リクルーティング)や海外事業の不振で、営業利益は11.4%減の391億円だった。
純利益は、2019年11月にアルバイト求人情報サービス「an」の事業撤退、そして業績不振の豪州子会社Programmed社ののれん減損によって、前期比68.8%減の76億円だった。
業界3位のパソナグループは、2020年5月期の売上高が前年比0.6%減の3250億円。
企業から業務を請け負う事業(BPOサービス)が成長したものの、主力の人材派遣事業では2020年3〜5月にコロナの影響を受けて新規の契約が減少した。
一方で、コスト抑制の成果により営業利益は前期比11.8%増の106億円だった。
すでにスタートしている今期の業績予想はどうか。