新着Pick
485Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
この後の連載でも出てくるのでしょうが青野さんのすごいところは、情報格差にしてもコミュニケーションコストにしても、ゼロベースで変えられるところと思いました。多くの人は今のやり方をベースにして改善しようとし(青野さんも初めはそうだったようですが)、根拠なく「対面のほうがニュアンスが伝える」と思い込んでいる(専門用語でいうと心の「慣性」)。

ちなみに10年前に「Evidence-based management」に関する本を訳しましたが、その時に「Evidence-based medicine」という言葉が出てきて驚いた記憶があります。医学の世界ですらも慣性は強いのです(考えてみれば、遠隔診療が普及しないのもそうでしょう)。長い目でいえばサイボウズのような会社の生産性が上がるのは当たり前なのですが、なぜほかの会社は当たり前ができないか。慣性もバイアスも「無意識」であることが一番厄介です。
非常に興味深い内容でした。特に興味深かったのは、オンライン会議への移行のエピソードです。ポイントは3点ありました。
1.今まで疑問に持っていなかったオフライン・オンライン混在の会議に対して、ある地方在住社員の発言から、問題に気づく
2.その問題の一部を自分が構成していたとわかる
3.具体的な方策を講じ、組織に定着させる制度化を行う

人間の学習について突き詰めて考えてみると、いくつかの重要な点に集約されると思うのですが、そのひとつに、「自分がその問題の一部だとわかる」というものがあります。
しかし、そのためには、まず問題や違和感に気づかねばなりません。日頃から様々な言動を外から拝見していて、青野さんの優れていると思うところは、自分の「当たり前」への違和感を常にどこかで持ち続けているところにあるように思います。
これは実はなかなか普通にやるとしんどいところがあり、自分の考えを「信じつつ疑う」というアンビバレントな態度を持ち続けるからです。
しかし、この「信じつつ疑う」ことの重要性を述べた組織論研究者のワイクは、組織が環境に適応し続けるためには、何よりも「あなた自身を複雑にcomplicate yourself」と述べました。
優れたリーダーとは自分の信念を疑いなく引っ張るものというよりも、自分の信念を疑いながら、常に組織が暫定的なものであることを理解していることなのかもしれないと思いました。
「がんばるな、日本」は競争社会の中でがんばるという国民性があるからこそ逆にインパクトが大きいと思います。
韓国でも「あやうく一生懸命生きるところだった」というエッセイがベストセラーになり注目を集めました。世の中の風潮が変わってきています。
嵐でも周りの目を気にして出社する人がいる様にコロナについてもリモートが認められていても出社する人もいるのではないでしょうか(もちろんそもそもステイホームが不可能な業種もあると思います)。

オンライン会議への移行については、会社の運営の民主化が進んでいて意見の吸い上げやコンセンサスを作る上でかなりプラスだと思いますし、会議への参加や発言のハードルが多少なりとも下がり、その副作用として会社のガバナンスやダイバシティというテーマにも好影響がありますよね。
サイボウズ社長・青野慶久氏の連載を本日からスタートします。
ーーー
情報共有のための「グループウェア」と呼ばれるソフトウェアやクラウドサービスを手掛けるサイボウズ。働き方改革の先進的な企業として知られ、「働きがいのある会社」でも2位にランキングされる(2020年、中規模部門。GPTW調べ)同社だが、15年前は危機的状況にあった。

ちょうど青野慶久氏が社長に就任した頃、社員が次々に退職。離職率は28%まで上昇する。給与の引き上げや業務の転換など、社員を引き留めるために様々な対応を試みたものの、さほど効果は上がらず。そこで社員に「どんなふうに働きたいか」を丁寧に聞き取り、「育休・介護休は最大6年間」「副業大歓迎」など働きやすい制度を続々導入する。

これが功を奏し、その後サイボウズの離職率は低下。12年以降は4%前後で推移。業績も好調で、同年以降、売上高は毎年、前年比115%ほどのペースで伸長している。青野社長は経営者としての自信を失いながらも、活力が消えかけた職場をどう再生したのか。(全7回)

■第1回 「がんばるな、ニッポン」のメッセージに込めた想い
■第2回 松下電工の「暴走社員」がサイボウズを創業
■第3回 人生最大の挫折で気づいた自分に足りなかったこと
■第4回 「100人100通りの働き方」で業績右肩上がり
■第5回 そこまでやるか、社員に手厚い制度を次々導入
■第6回 給与もキャリアプランも自分で決める
■第7回 「会社」という仕組みはもう古い
「がんばるな、ニッポン」はいい広告ですね。初めてみたときは、公共広告かと思いました。

COVID-19で働き方について改めて考え直した人は多い。労働生産性をあげる方法は通勤以外にもあることがわかってきました。
下記はあるあるではないだろうか。地方や海外など、元々オンラインがメインだった人の苦しさ・辛さが、自分事になって初めてわかり、またオンラインでやるための方法論も磨かれていったと感じる。
『地方在住のメンバーに「こんな状況下で言いにくいのですが、オンライン会議がたいへんやりやすくなりました」と言われました。それは、全員がオンラインで参加するようになったからです。』
サイボウズさんのすごいところは、企業理念が人事制度や組織コミュニケーション、企業広告に至るまでつらぬかれていること。徹底しているし、青野さんの覚悟を感じる。心から尊敬します。
御意! 
「ここから人類が一気にインターネットにシフトするでしょう。われわれは、それに適した組織の運営方法を学ばないといけない。これからの時代、これが経営の最大のポイントになると思っています。」
この連載について
ビジネスや働き方が多様化し、正解がない時代に、自分を信じて一心に仕事をする人たちがいる。そこにあるのは独自の「哲学」だ。仕事人のヒストリーをたどり、道標となった哲学を浮き彫りにしていく。