2020/7/21

【解説】復活する中国。「ポスト爆買い」がやってくる

川端 隆史
NewsPicks/SPEEDA/INITIAL編集部 チーフアジアエコノミスト
日本はもう一度、観光大国への道を歩めるのか──。
近年、日本のインバウンド市場を支えてきたのは、中国人観光客であることに異論はないだろう。コロナ禍の前までは、インバウンド市場は毎年順調に増加が続き、なかでも中国が3割を占めていたほどだ。
中国人をメインターゲットにした地方や商業施設もいくつも登場していたが、そのモデルはコロナで壊滅状況に陥ってしまった。
だが、中国社会科学院とテンセントによる共同調査によれば、中国における日本人気は衰えることを知らず、今も人気の行き先「トップ3」を堅持している。
7月に中国のTrip.com(携程旅行)が行ったライブコマースでは、日本のホテルが2万室以上も成約した。
同時に、コロナ後の中国旅行業界に変化の兆候があるのも事実だ。まだ、観光客への国境開放は見通せないが、こうした中国国内における嗜好の変化は、将来の日本旅行にも大きな影響を与える可能性がある。
だからこそ、中国の動向をみながら、今からインバウンドの復活に向けた戦略を仕込むことは重要だ。NewsPicks編集部は、ポストコロナに向けた中国からの日本インバウンド観光の見通しについて、日中インバウンドビジネス協会の王璇代表理事長に聞いた。

中国国内旅行はすでに回復へ