[東京 17日 ロイター] - 政府は17日の臨時閣議で、経済財政運営の指針(骨太方針)と成長戦略を決定した。新型コロナの感染拡大や相次ぐ豪雨被害を踏まえ、防災・減災、国土強靭(じん)化に向けた記述を新たに盛り込み、2020年度までの3カ年緊急対策後も「必要かつ十分な予算を確保する」と明記した。次年度以降の予算に反映する。

国土強靭化では「『国家百年の大計』として災害に屈しない国土づくりを進める」との認識を併せて示し、緊急防災・災害事業債についても「地方自治体の取り組みを踏まえ、適切に検討する」とした。安倍晋三首相は、経済財政諮問会議・未来投資会議合同会議で「強靱性や持続可能性を持ち、長期的な視点に立った社会像を追求する」と述べた。

財政健全化に向けては、成長持続と中長期的に持続的な財政の実現を念頭に「次世代への責任の視点に立つ」との記述を最終的に加えた。20年度の新規国債発行額が90兆円を超える現状に「社会保障と財政の持続可能性に構造的な問題がある」との認識も示した。21年度の薬価改定を巡っては「新型コロナ感染症による影響も勘案して十分に検討し、決定する」との表現にとどめた。

25年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標に関し、麻生太郎財務相は省内で記者団に「今の段階で何かすることは考えていない」と語った。

政府の未来投資会議で議論してきた「新しい働き方」を実現するための具体策や、銀行間ネットワークシステム「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の手数料引き下げについては成長戦略に盛り込み、骨太方針と併せて閣議決定した。

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(竹本能文、浜田寛子 編集:山口貴也)