【CEO直撃】明日からZoomが100倍、楽しくなる

2020/7/15
謎の会議アプリ「mmhmm(ンーフー)」が、バズっている。
Zoomなどを使ったオンライン会議を、ひたすら楽しく、かつ効果的にするツールだ。
カメラを通して画面に映った自らの姿を、拡大縮小したり、上下左右に飛び回らせたり、半透明にして背景を透かしたり。
その独創的なデモンストレーションを見た人々たちが、数万人単位でベータ版(招待制限定)の登録を済ませている。
NewsPicksの取材によると、すでに名門VCのセコイアキャピタルからの資金調達も決めた。
創業者であり、元エバーノートのCEOとしても知られるフィル・リービン氏に、わずか数カ月前にひらめいたmmhmmの全貌を聞いた。
NewsPicksの取材に応える、mmhmmの創業者のフィル・リービン氏 。AI関連ベンチャー支援企業のオール・タートルズCEOも兼ねる。

何度でも言いたい「ンーフー」

──発音が、なかなか難しいサービス名ですね(笑)。
この「mmhmm(ンーフー)」という名前、とても言いやすいでしょう。
スタートアップというのは基本的に、何も考えなくても、覚えられるような分かりやすい名前を付けますよね。
ところが「mmhmm」という名前は、人間がちゃんと脳みそを使って考えている時に、口から出る相づちです。何かをちゃんと考えてないと、言えない名前というのがクールだなと思いまして。
(サービスを考案したのは)4月頃でしょうか。
私たちの誰もが、自宅からワーキングフロムホームで働くことを余儀なくされていましたよね。その時に、Zoomの会話をもっと楽しくできないかと試行錯誤を始めました。
(写真:フィル・リービン氏公式ツイッターより掲載)
まあ、最初は半分、ジョークのつもりで遊んでいたのです。私のツイッターのタイムラインをご覧いただくと、分かると思います。
そこからZoom会議をもっと楽しく、もっと疲れずに、参加できるツールとして模索をするようになり、これは新しいビジネスになると思うに至ったのです。
──まさに、ちょっとした思いつきから始まったんですね。
もう数カ月間、私も自宅で仕事をしていますが、まさにロックダウンの状況下で生まれた新アイディアだと言っていいでしょう。
ビデオ会議はぐったりするほど、疲れますよね。1日12時間もZoomをしていると、もう疲れすぎてメリハリもなくなってきます。
みんなで同じ「(画面という)四角い箱」にクビを突っ込む。このビデオ会議を、もっと楽しく、効果的にしたかった。
ちなみに私たちは新しいビデオ会議ツールを作るのではありません。Zoomでも、グーグルが提供するmeetでも、どのようなアプリケーションともセットで動くのです。
(写真:YouTube公式動画より掲載)

セコイアも「投資即決」

──チーム体制は、どうなっているのでしょうか。
7〜8週間前に思いついて、まずは2人で作り始めました。
現在は12人ほどのチーム体制で、フルタイムで開発をしており、さらに7つの職種で人材を募集しているところです。
mmhmmの素晴らしいところは、楽しくて、役立つところ。私はこれを「fuseful(fun + useful)」と呼んでいます。
カメラに写っている自分の姿を、まるでスターウォーズのジェダイの戦士みたいに半透明にしたり、画面に映しているグラフのあたりを、飛び回らせることもできます。
クルマで長距離移動をする時のことを、考えてください。
ただ遠距離を移動するのは、もうぐったりしますし、車酔いで吐き気をもよおすこともあるでしょう。しかし、自分がハンドルを握って、友人とドライブするなら全く爽やかな気持ちでしょう。
同じようにビデオ会議だって、ただ座っているだけじゃなくて、画面内を自由に動き回ることができれば、もう気分よくドライブする感覚に近づけると思ったのです。
(写真:後藤直義撮影)
──超名門VCのセコイアキャピタルが出資すると聞いています。