【まず選択と自己責任】成功者は人生で2回メンタルシフトする
Quartz × NewsPicks Brand Design
2020/07/21
自分にとってマイナスになるものを捨て去る
大きな成功をおさめる人々は誰でも、人生で2回、重要なメンタルシフト(考え方の切り換え)を行っている。
どちらのシフトを行うにも、それまでの型にはまった考え方から抜け出すための、かなりの柔軟性が必要になる。色々な意味で、子どもの頃に学んだことや学校教育で学んだこと、あるいは大人になってから学んだことでも、自分にとってマイナスになるものを捨て去ることが必要だ。
1回目のメンタルシフトの土台になるのは、卓越した選択能力と自己責任だ。
自分の時間を何にどう使うかをかなりコントロールできるようになり、幸せで豊かな人生をつくり出すことができるようになるのだ。
だが残念なことに、1回目のメンタルシフトが過度な満足感をもたらすか、別の感覚を失わせてしまうことがある。さらに前進して2回目のシフトを行う人がきわめて少ない理由は、そこにある。そのためベストセラー『エッセンシャル思考~最少の時間で成果を最大にする~』の著者グレッグ・マッケオンは、「成功は失敗の要因になり得る」と指摘している。
たとえば、ミュージシャンは活動開始当初は音楽が大好きだからという理由で数多くの曲をつくる。目指す夢も大きい。だが成功し始めると、必ずと言っていいほど、あまり曲を作らなくなっていく。次に挙げる2つのうちどちらかがその理由だ。
1つ目の理由は、「曲を作る理由」から「それによってもたらされるもの」へと焦点が移ったから。
成果に満足してそれ以上の曲作りはしなくてもいいと思ったのかもしれない。あるいはもっと曲を作りたいけれど情熱(「なぜ作るか」)が失われて、以前ほど深みのある質の高い音楽が作れなくなったのかもしれない。
2つ目の理由は、完璧主義になって停滞してしまったから。
自分の最高傑作は過去にあるのではないかと恐れているのだ。エリザベス・ギルバートがこれについてTEDで語っている。著書『食べて、祈って、恋をして』が大ヒットした後、彼女は次の作品を書く気力がなくなってしまったという。
しかし彼女は、一度成功した後も前進を続けた。「自分の枠から抜け出す」ために敢えて何度か失敗もした。一度これができたから、心理的な障壁がなくなってその後もクリエイティブな仕事をし続けることができたという。
以下に挙げるのは、1回目のメンタルシフトを経た後の思考モデルの核となる要素だ。
責任を持つ
1回目のメンタルシフトを行うためには、ものごとを外的要因のせいにするのをやめて、自分の人生に責任を持つということが必要だ。
人生にどう対応していくか、その責任は自分にある。衝動的な反応はもうやめよう。自分に足りないものを、ほかの人のせいにするのはもうやめよう。
『Extreme Ownership: How U.S. Navy SEALs Lead and Win(徹底した責任感:米海軍特殊部隊はいかに統制しいかに勝つか)』の著者であるジョコ・ウィリンクとリーフ・バビンは、真のリーダーシップには強い責任感が不可欠だと書いている。だから悪いチームというのはなく、悪いリーダーがいるだけだと。チームのどんな悪い結果も、その責任は全てリーダーにあり、逆に良い結果はチームの功績だ。
自分自身を統制する場合にも、これと同じレベルの責任感が必要だ。何かがうまくいかなかった場合、誰を(あるいは何を)責めるのか。自分以外の人やものを責める人は、自分ではどうにもできないものの「人質」から抜け出せないままだ。
どんな選択にも代償と結果が伴う
「自由意志」などというものは存在しない。自分の行動の結果を受け入れる覚悟がない限り、思いのままに行動する「自由」はない。
スティーブン・R・コヴィーが説明しているように、「私たちは自分の行動をコントロールしているが、その行動から生じる結果はさまざまな原理によってコントロールされている」のだ。
では好ましくない結果を避けるにはどうするか。唯一の方法は、自然の成り行きを支配する原理を理解することだ。大きな成功をおさめる人々は、絶えず自分の周りの世界について学び、より深い理解を得ようと努力している。
自分の行動の結果を理解せずに、思いのままに行動してはならない。無知ゆえの幸せはない。無知な人は、原因も理由も理解することなく、好ましくない結果に取りつかれることになる。その無知と被害者意識が揃うと、破壊的な組み合わせになる。
それでも、(どんな小さなものでも)全ての選択には結果が伴うことをいったん認識すれば、自分がどの結果を望むかを決めることができる。どんな選択にも、必ずその結果が伴う。だからこそ全ての選択に意味があるのだ。
あらゆる選択に伴う最終的な結果(と代償)は時間だ。時間を取り戻すことはできない。もちろん、軌道修正を行うことはできる。過去の過ちから学ぶことは可能だし、問題を解決することも可能だ。だがそこには常に、代償が伴う。一度それに気づけば、不要不急の活動に費やされる時間がこれまで以上に気になるようになるだろう。
成功(と幸せ)は選択
成功、健康と幸せは全て「結果」であり副産物だ。原因ではなく、結果なのだ。
結果をコントロールすることはできない。結果をコントロールするのは原理だ。だがその原因である自分の言動はコントロールすることが可能だ。環境要因が良くないなら、それを変えればいい。
最近のあるメタデータ分析によれば、多くの人は「自信」について誤った理解をしている。自信は自分を優れた実績に導いてくれるものではなく、過去の行動の副産物なのだ。
たとえば一日をうまく始められると、その日はずっと自信を持って過ごせる可能性が高い。逆に一日のはじまりで躓くと、その過去の行動が自分から自信を奪い去る(これが無意識に行われることもある)。
はっきり理解しておくべきは、自信とは過去の実績を直接反映するものだということだ。だから自信を持つ上では、今日よりも昨日の方が重要な意味を持つ。そして幸運なことに、今日はいつだって「明日の昨日」だ。だから今日あまり自信が持てなかった人でも、明日の自信はまだ自分でコントロールが可能なのだ。
勢いが肝心
1回目のメンタルシフトを経験した人は、勢いを重視する。自分に勢いをつけるのに大変な努力をしたし、勢いや弾みがつかないのがどんな気分かをよく知っているからだ。
勢いがないと全てがいまいちだ。多くの人は勢いがない状態で人生を過ごしているが、それだと多大な努力をしても成果が最小限に食い止められてしまう。
そして勢いをつける上で重要なのが不変性だ。その一貫性は目標やビジョンを1つに絞って意図的な努力を続けることで複利効果となる。そうすると、複数の外部供給源が自分のために働いてくれているような感じになる。実際にそうだからだ。
そう考えると、一度得た勢いを維持することはきわめて重要だ。だから継続的な学びや成長に対する欲を持ち続けなければならないのだ。
多くの人は1回目のシフトで行き詰まる。では2回目は?
自分の人生や選択について全面的に責任を持つと、学ぶことが好きになる。人生の成功を自然と促す原理を理解し、実践するようになる。
だがこの1回目のシフトを超えた先にもっとずっと高い水準があり、多くの人はそこに到達することはない。
1回目のシフトを経て成功している人々にとって主な障害となるのは、以下の要素だ。
・大事なのは「自分のこと」ばかり
・自分のニーズや目標以外のところに視野が広がらない
・自分の成功に満足し、それに気を取られてしまう
・自分を成功に導く要因となったことをやり続けずにやめてしまう(たとえば学ぶこと、努力することをやめてしまう)
・自分が「なぜ」それをしているのかを忘れてしまう
・完璧主義になり、失敗したり学んだりする意欲を失ってしまう
・自分の成功や他人からのイメージにこだわりすぎてしまう
・攻めの姿勢から守りの姿勢に転じてしまう──さらなる何かを求めるよりも既に手に入れたものを守ることにエネルギーを集中させる
・自分自身や他人から常に肯定されることに執着し、真のフィードバックを求めなくなってしまう
・ほかの人々とうまく協力する方法を学ばなくなる
・自分のやり方が「正しい」方法だと考える
・ほかの人を信用できず何かを任せたり協力したりできない
・自分のニーズや目標以外のところに視野が広がらない
・自分の成功に満足し、それに気を取られてしまう
・自分を成功に導く要因となったことをやり続けずにやめてしまう(たとえば学ぶこと、努力することをやめてしまう)
・自分が「なぜ」それをしているのかを忘れてしまう
・完璧主義になり、失敗したり学んだりする意欲を失ってしまう
・自分の成功や他人からのイメージにこだわりすぎてしまう
・攻めの姿勢から守りの姿勢に転じてしまう──さらなる何かを求めるよりも既に手に入れたものを守ることにエネルギーを集中させる
・自分自身や他人から常に肯定されることに執着し、真のフィードバックを求めなくなってしまう
・ほかの人々とうまく協力する方法を学ばなくなる
・自分のやり方が「正しい」方法だと考える
・ほかの人を信用できず何かを任せたり協力したりできない
個人の幸せと繁栄だけではなく、もっと高いレベルの成長や関係、そして貢献を望んでいるならば、つづく2回目のメンタルシフトの仕組みについても考えてみよう。
※後編はあす公開します
元の記事はこちら(英語)。
(執筆:Benjamin P. Hardy、翻訳:森美歩、バナーデザイン:月森恭助)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with HP.
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