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ふるさと納税の大いなる矛盾の一つは、税制上の「寄付」にあたる。つまり、見返りはないものだということ。

もう一つは、本来自分が住んでいる自治体とは違う自治体に寄付をすると、自分が住んでいる自治体から税控除を受け、自分に公共サービスという恩恵をもたらしている住んでいる自治体に十分な支払いをしていない。返礼品などという見返りがもらえることから、国全体の収入で見ると減るという事実です。

この大いなる矛盾を抱えているふるさと納税が存続している理由は一つ。菅官房長官肝いりの事業だということです。たとえ国会議員でも、政府税調においても議論できないと言われる「菅印」の案件。

そもそも制度ができる時には総務省も財務省も大反対していたものの政治の力でスタートし、「健全な自治体の競争を促す」との理由から、高額な商品や換金性の高い金券類など、自治体間の返礼品の競争は、ふるさと納税の理念から遠く及ばないものとなってしまいました。

菅官房長官の庇護を受け、やりたい放題の自治体に対し、総務省は法律にふるさと納税の理念を盛り込むなど、ルールの策定に頭をひねったものの、菅官房長官には、法的な拘束力のない通知で十分という姿勢をとられ、なんとか辻褄合わせの通知を出し続けてきた歴史があります。

しかし、ついに2019年6月に新しい法制度が施行されました。

新法では、ふるさと納税は自治体を総務大臣が参加できる自治体を指定し、ルールを守らない自治体は参加できないということになりました。ちなみに、この制度は矛盾そのものの矛盾を解消しているわけでないので、今後再び制度の矛盾から混乱が生じる可能性は消えていません。

この新しい法律が施行された初年度に指定を外された泉佐野市が「不指定」をめぐり国を相手に訴えた裁判は、最高裁における泉佐野市の逆転勝訴という形で幕引きとなりました。
ふるさと納税制度に復帰が決まった直後の泉佐野市長独占インタビューです。
泉佐野市長のインタビュー、いいですね。うちでもこんなコラムを出しています。国に従え、というのは一方的です。

泉佐野市が「やりすぎ」なら、総務省の「天下り」は正しいのか 「ふるさと納税」でみえた支配の構造 #POL https://president.jp/articles/-/36952

ただ、挑発合戦はいただけません。最高裁の意見も厳しいものでした。世論の支持を得られるよう、もっと脇を固めたアピール方法があったようにも思います。地方自治が骨抜きにされていいのか、という点が本丸なので、そこをブレずに主張してほしいです。
ふるさと納税の制度的な歪さや、泉佐野市への総務省の対応に関する見解については、NewsPicks上で何度も繰り返したので差し控えます。
https://newspicks.com/news/5034361/

その上で、本稿に関して思うのは、「好き嫌い」と制裁は分けて考えなくてはならないという、極めて当たり前のことです。

泉佐野市長のモノの考え方を好むか嫌うか、共感するかしないかは、各自の価値観次第ですし、十人十色の受け止め方があって然るべきだと思います。
しかし、たとえ多くの人が「気に入らない」と感じていたとしても、気に入らないという理由で後出しジャンケン的に制裁することがあってはなりません。
それがまかり通るようであれば、何のための法律なのか。性善説に基づいた法律というのは、そもそも法律自体に欠陥があるのだと思います。

返礼品に関する泉佐野市の過去の施策に対して否定的な意見を持つ人がいることは理解しますが、だからと言って、総務省の恣意的な介入を支持することには直結しないはずです。
なんだか暗黙のうちに、中央と地方を上下関係で捉えることを前提としているように思えてなりません。
法の正義と品性とは異なるということ。これをアイディアだとは自分は呼びたくない。
考え方に全て賛同するわけではない。でも、プロセスや戦いとして健全だと思う。また考え方に多様性があるからこそ、社会は進化すると思っている。

ルールが必要なのは、何でもありを防ぐため。一方でルールを作るのであればそこに規定していないことは認めざるを得ない。そして出てきた課題は改正によって変えていく。だからルールの設計は重要。
ルールの中での創意工夫は、進化をもたらす。例えば、都市部への人口集中というのは一市町村でその流れを変えられない構造。それがメリットになるところとデメリットになるところが分かれるし、税収はその影響を受ける。
そのなかで制度があるのだから、活用するのは地方自治体としては極めて合理的かつ正しい。活用しないなら、それは住民に対してどういうポリシーでやっていないという説明が求められてもしょうがないと思う。経営者が「なぜ赤字なのにこのビジネスを撤退しないのか」という質問をされるのに等しいと思う。もちろんその経営者にはそれぞれの判断があり、撤退するかしないかは分かれる。特に非上場であれば雇用が第一優先といったポリシーも個人的には全然アリだと思う。根拠をもって各自治体の判断が分かれるのは極めて自然。
そのなかで、例えば泉佐野のように自身でポータルの集客力があれば、地元品規定のなかで、だったら工場が泉佐野にあればそこを通じて売ることができるという産業振興にも一定つながりうる。ルールが変わる可能性があるからそのリスクを判断するのは企業自身だが、様々な主体が様々な思惑で考えて判断するから、社会は成立している。
総務省の顔を伺うではなく、設定されたルールのなかで解釈をして意思決定をしている。それは総務省にとっても安易なルール整備をしない牽制にもなる。牽制構造がちゃんとあることは、社会・市場の進化にとても重要。
泉佐野市のお行儀の悪さは、最高裁判決の補足意見でも厳しく指摘されています。その点はきちんと押さえたいところです。
ただ、この制度はやはり設計自体に無理があります。「納税」と名乗りながら、税金の移転ではありません。自分の住民税を減らした分をよそに寄付するだけです。総務省もかつては「ふるさと寄付金控除制度」と呼んでいました。純粋な寄付でもありません。見返りが多すぎて、見返り目的の行為になっています。しかも全国で集まる何千億円もの「寄付額」の半分は、仲介サイト業者の手数料や返礼品の仕入れ、送料に消えていきます。高知県では汚職事件にもなりました。この制度のおかしさを指摘して意見した局長が更迭され、誰も正論を言わなくなったという歪みもあります。廃止も含めて抜本的に見直す時期だと思います。
土地開発を巡る昔の失敗で破綻寸前に陥った財政を立て直すべく、“創意工夫”を重ねて一心不乱にふるさと納税を募った泉佐野市。使える制度は何でも使って自力で再生しようという気持ちもあったんじゃないのかな・・・ 『紙切れ一枚送ってきて「俺たちのいうことを聞け」』とその努力を否定されたら、そりゃ腹も立つでしょう、たぶん。
やり方そのものに対する批判は様々あると思いますが、我が国で新しい産業や企業が立ち上がり難い背景に、法律に規制の諸条件を明示せず『紙切れ一枚で言うことを聞け』とする役所の文化があることは間違いなさそうに思います。明示された条件を官民が平等に解釈するなら、民は解釈の責任を自ら取って物事を進めることが可能です。一方、法に明示されていない規制を官が勝手に課してその内容を官が自ら解釈し、高等裁判所の判例がいみじくも示しているように、裁判官すら官の恣意的な“有権解釈”に加担するようでは、官にお伺いを立てない限り、民間は危なくて新たな行動がとれません。そして新しいことに対する官の対応が、“直ぐで半年、良かろうで2年、審議、審議で5~6年”というのでは、民も地方自治体もイノベーションの起こしようがありません。
『法律に「返礼品3割以下の地場産品」と明確に示されるようになり』、『関与に関する制度を立案するような場合には、より一層多角的な観点からの検討を徹底させる必要がある』と中央官庁が考え、本件を嚆矢に規制の諸条件が法的に明示されて民と官、地方自治体と中央官庁が平等に解釈する環境に向かうなら、泉佐野市対国の争いは、未来に向けた価値を持つように感じます。まぁ、そうは問屋が卸さないでしょうけれど ^^;
通販サイト化している現状を見ると、あくまでも寄付に徹底すべきでしょう。公益法人への寄付と比較しても、ふるさと納税が優遇されすぎています。
是々非々。総務省も地方自治体も法の下で平等。
盗人猛々しい自治体、民度が知れますね。
そもそもふるさと納税なのに返礼品で地場製品も使わず、何を義賊気取ってるのか…
この連載について
今、知りたい注目のニュースの真相から全体像まで、やさしく徹底解説。プロピッカーや有識者による対談、オピニオン寄稿、直撃インタビューなどでお届けする、NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。