[ロンドン 9日 ロイター] - 英シンクタンクの財政研究所(IFS)は9日、スナク財務相が打ち出した経済対策を受けて、今年の財政赤字が3500億ポンド(4420億ドル)に達し、さらに膨らむ可能性もあるとの見方を示した。

IFSのカール・エマーソン氏は「3月の時点で政府は今年の財政赤字を500億─600億ポンドと予想していた。現在のわれわれの予想は3500億ポンド前後だ」と述べた。

IFSはスナク氏が秋に再び景気刺激策を検討する公算が大きいとし、おそらくこれまでより的を絞ったものになると予想した。

スナク氏は9日、一時帰休となった従業員の復帰支援や、ホテル・外食業向けの減税措置などを盛り込んだ総額300億ポンドの経済対策を発表した。

エマーソン氏は最終的に今年の財政赤字がどの程度になるかは不確実性が高いとしながらも、対国内総生産(GDP)比では戦争の時期を除いて過去300年強で最も高水準になるとの見通しを示した。

IFSは経済が正常化した時点で恐らく増税が必要になると指摘した上で、当面は新型コロナウイルスによる打撃からの回復に焦点を当てるべきと主張した。