[ブリュッセル 8日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は8日、欧州連合(EU)を1月に離脱した英国との交渉で、年末までの移行期間中に新たな合意を結べるよう引き続き取り組むが、EUは同時に、合意がないまま移行期間が終わる可能性にも備える必要があるとの考えを示した。

EUと英国は、これまで通りの関係を維持する移行期間中に、貿易や安全保障などを含む新たな関係について合意をまとめることになっている。

先週の交渉は予定より時間が短縮されたほか、双方は意見の隔たりが埋められていないとしていた。

英国とEUの代表団は今週、ロンドンで交渉を行う予定で、モノとサービスの貿易や漁業、企業統治、公平な競争条件、法執行などの問題が取り上げられる見通し。

メルケル氏は欧州議会で「角の立たない言い方をすれば、これまでの交渉での進展はほんのわずかだった」と指摘。

「英側とは交渉のペースを加速することで合意した。良い解決策を引き続き追求するが、われわれは同時に、合意なしのシナリオに備える必要がある」とした。

英国のジョンソン首相は範囲を狭めた通商協定の締結を求めているため、英側はこれまでのところ、EU側が求める漁業などの分野での緊密な関係や公正な競争条件整備などの案を受け入れない立場を示している。

ジョンソン首相は7日、メルケル首相との電話会談で、EUと貿易交渉で合意できない場合、「オーストラリア型」で移行期間を終える用意があるとの立場を伝えた。オーストラリアはEUとの間で包括的な貿易協定を結んでいない。[nL4N2EE42W]

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