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アデュカヌマブは、アルツハイマー病の発症に関与するとされるアミロイドβに働きかける抗体製剤です。コロナウイルスで「抗体」という言葉が知れ渡るようになりましたが、抗体は感染症だけでなく、こんなところでも活用されています。
申請の背景となったEMERGE試験で示された結果は、最高用量のアデュカヌマブを投与していたケースで、投与開始78週後に、認知機能の低下を2割ほど遅くしていたというものでした。また、それ以外の用量では有意な差が見られませんでした。
想定される薬価を考えると、この示された効果が十分高いものとは言えず、副作用の懸念もあるため、すんなり承認ではなく、追試が課される可能性があるのではないかと思います。
なお、自分の記事で恐縮ですが、アデュカヌマブ申請までの経緯については、オリジナル記事にまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
https://newspicks.com/news/4539937/こちらの記事はアデュカヌマブがアルツハイマー病に対する世界初の有効な治療薬のような印象を与えますが、アルツハイマー病が治癒する訳ではありません。認知機能の低下を2割ほど遅らせる効果があるとのことですが、既存の薬と比べて効果がどれほど優れているかはわかりません。
薬価は一ヶ月に1万ドル程度と予想されています。これを長期間(臨床試験では18ヶ月継続)続けることを考えると、費用対効果の面でもどれほどの有用性があるか疑問です。世界初のアルツハイマー治療薬!!
ほかにも2つくらい開発していた薬があったんですけど、何度も臨床試験に失敗してダメかと思っていたところに「アデュカヌマブ」でようやく実現しましたね。ファイザーがこの事業から撤退したり、スイスのロシュなどとも競争していたりしたはずですがよかった。