[7日 ロイター] - 米保険大手オールステート<ALL.N>は7日、同業ナショナル・ジェネラル・ホールディングス<NGHC.O>を現金約40億ドルで買収すると発表した。個人保険事業の市場シェア拡大を目指す取り組みの一環。

ナショナル・ジェネラルの株主は1株当たり32ドルの現金を受け取るほか、同2.50ドルの配当支払いを受ける見通し。これに基づくロイターの算出によると、買収額は39億2000万ドル相当で、同社株の7日終値に約69%のプレミアムを上乗せした水準となる。

オールステートの発表によると、買収はナショナル・ジェネラルの取締役会が承認済みで、2021年初めに完了する見通し。1年目から調整後1株利益と自己資本利益率(ROE)の伸びに寄与するという。

トム・ウィルソン最高経営責任者(CEO)は、ナショナル・ジェネラルの買収により、オールステートは個人向け市場のシェア拡大に向けた戦略を加速させるなどと述べた。

ニューヨークに拠点を置くナショナル・ジェネラルの主要事業は自動車保険で、個人向け自動車保険のほか、バイクや商用自動車の保険も提供している。

オールステートも自動車保険では国内大手のひとつ。同社は今年4月、新型コロナ対策の行動規制で自動車の利用が40─55%ほど減少しているとし、6億ドル以上の保険料を顧客に返金すると発表した。

新型コロナ危機は北米保険会社の資産を圧迫しており、格付け各社は、各社への影響が出始めると予想している。

*内容を追加し写真をつけました。