[クアラルンプール 7日 ロイター] - マレーシア中央銀行は、政策金利を0.25%ポイント引き下げ過去最低の1.75%とした。引き下げは4会合連続。ロイターによる調査では、回答者の過半をわずかに超えるエコノミストが利下げを予想していた。

同国では政府の新型コロナウイルス感染対策が緩和され、経済は回復し始めたが、中銀はこの日の声明で、新型コロナ感染「第2波」や予想を下回る世界経済の成長力などが「下振れリスク」になると指摘した。

世界経済の見通しについて「第2・四半期が底と考えられるが、労働市場の弱さが広範囲に見られ、家計と企業が慎重な行動をとっていることが今後の回復に影響を及ぼす可能性がある」と分析した。

「(中銀の)金融政策委員会は今後の状況と、インフレと国内成長の先行きに及ぼす影響を引き続き注視していく」と説明した。

第1・四半期のマレーシア経済は新型コロナの感染拡大とエネルギー価格の下落による打撃を受け、0.7%の成長にとどまった。

3カ月近くに及ぶ厳しいロックダウン(都市封鎖)により、5月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.9%低下し3カ月連続のマイナスとなった。

中銀は今年はインフレが影を潜め、原油価格の低迷により総合インフレ率はマイナスになる公算が大きいとの見方を示した。

キャピタル・エコノミクスのアジア担当エコノミスト、アレックス・ホルムズ氏はリポートで「一時的なデフレについては過度に懸念する必要はない。ただ需要の弱い状態が続けばデフレが定着し、経済活動をゆがめ始める恐れがある」と指摘した。

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