米の新型コロナ感染、「迅速対応要する深刻な状況」=ファウチ氏
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ワクチンは、『生ワクチン』と『生ワクチン以外』にわけられます。
生ワクチンは、病原体の毒性を弱めて免疫を獲得することを目標にしたワクチンです。簡単に言えば、『軽く罹って免疫をつける』わけです。
たとえば、はしか(麻疹)ワクチンは生ワクチンです。有効性は高いですが実際には”恒久的”とまではいえず、secondary vaccine failure(SVF)といって、再度罹るようになる可能性はあります。
▶予防接種をしたにもかかわらず,麻疹に罹った人がいると聞きました。どうしてでしょうか
http://ota.on.arena.ne.jp/pediatrics/vaccine/vaccine_qa/qa2008_06-q08.pdf
一方で不活化ワクチンは、主に加熱したりホルマリン処理をしたりして病原体を殺したワクチンで、菌ならば死菌ワクチン、ウイルスならば不活化ワクチンになります(その他精製抗原ワクチン・感染防御に有効なDNAの一部を遺伝子組み換え技術で製造したワクチン・細菌のつくりだす毒素をホルマリン処理で無毒化したトキソイドなどもあり)。生ワクチンよりは効果は下がります。
たとえばインフルエンザワクチンは生ワクチン”以外”になります。
▶※及川 馨. 【ワクチン】生ワクチンと不活化ワクチン. JOHNS 2015; 31:563-6.
新型コロナで作られようとしているワクチンは、生ワクチン”以外”の一種になります。そして、過去作られたことのない『RNAワクチン』です。
▶【解説Q&A】世界が血眼になる「RNAワクチン」を学ぼう
https://newspicks.com/news/4863785/body/?ref=search
いままで効果が確認されていないRNAワクチンがどこまでの有効性があり、持続性があるのかが注目されていることになります。Dr. Fauciは、現在の感染者がニューヨークで爆発的な増加が起こっていた頃と比較して、年齢が15歳ほど若いこと、若い感染者の重症化リスクが低いことを指摘しながら、次のように述べています。
“They could infect someone who infects someone, and then all of a sudden someone’s grandmother, grandfather or aunt who’s getting chemotherapy for breast cancer gets infected.” (感染した人は、次に誰かを感染させる誰かを感染させる可能性がある。そして突如として、誰かのおじいちゃんやおばあちゃん、乳がんで抗がん剤治療を受けているおばさんを感染させてしまう。)
“You’re part of the propagation of the pandemic, so it’s your responsibility to yourself as well as to society to avoid infection.” (つまり、一人ひとりがパンデミックの伝播の一部を担っている。だからこそ、感染を避けることはあなた自身への責任であり、社会への責任でもある。)他国の感染状況に比べて日本は(再燃しつつあるとはいえ)よく抑えていると思いますし、
ワクチンが開発されるまでなんとか耐えよう、、と思ってらっしゃる方は多いと思いますが、
『はしかワクチンのように恒久的な免疫が得られるとは限らない』と記事中にもある通り、
ワクチンと一言でいっても、その有効性と持続期間はまだ未知数。
インフルエンザのように毎年うたねばならないのか、
そもそもインフルエンザのように季節性の流行となるのか、
そもそもどこまで有効なワクチンが開発されるのか、
など、まだまだよめません。
憶測しても答えが見つかるわけではないので、
今できる対策を粛々と。