[ベルリン 6日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が6日に発表した5月の鉱工業受注指数は、前月比10.4%上昇。4月には1991年の集計開始以来、最悪の落ち込みを示していた。

新型コロナウイルス感染抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)の緩和により需要は回復したものの、予想の15.0%上昇は下回っており、回復の足取りが鈍いことを示している。

国内受注は12.3%上昇、海外からの受注は8.8%上昇した。

統計庁によると、受注は、ロックダウンが実施される前の2月の水準を30.8%下回っている。

経済省は、景気は回復しているものの、危機前の水準に戻るには時間がかかると予想した。

内訳では、資本財の受注が20.3%増。うち自動車セクターは44.4%急増した。

同省は「受注データは製造業の不況が底を打ったことを示している」としながらも「受注の水準は低く、回復にはまだまだ時間がかかる」と述べた。

ドイツ政府は、今年の経済成長率が戦後最悪のマイナス6.3%になると予測している。

INGのエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は「今日の鉱工業受注統計には2つの重要なメッセージが込められている。ロックダウンの解除で経済活動はV字型の回復を遂げているが、危機前の水準に戻すのは容易ではないということだ」と述べた。

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