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【衝撃】いま「バッタ」が、世界の農産物を食い荒らしている
2020/7/7
バッタによって、人類が食糧危機に直面する──。
そんな国連食糧農業機関(FAO)による報告で、世界が警戒を強めている。アラビア半島でサバクトビバッタが大発生し、農産物を食い荒らしながら、世界的な大移動をしているというのだ。
サバクトビバッタは、アラビア半島を北上し、アフリカやイラク、イラン、パキスタンに広がり、今やインドまでたどり着いた。また、南米にも人間の船に乗って到達し、その生息地を広げている。
日本ではまだあまり報じられていないが、世界では新型コロナウイルスに次ぐグローバルレベルでの危機として認識されている。
サバクトビバッタとは何者か。日本への影響もあり得るのか。資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表による寄稿をお届けする。
2500万人が食糧危機に
サバクトビバッタによる農産物の被害が深刻化しています。
FAOの報告によると、この影響でスーダンとエチオピア、ソマリア、南スーダンなど、アフリカ東部の6カ国で、約2500万人が食糧危機に直面しています。
もともとサバクトビバッタは、サハラ砂漠、アラビア半島、インド北部までのエリアに集中して生息しています。
今回はアラビア半島で、大発生したサバクトビバッタが大群になり、西はアフリカ大陸、東はアジアへ、各地の農産物を食い荒らしながら、歩を進めているのです。
では、どれくらい人類の食糧を食べてしまうのか。
1平方キロメートルの群れが、たった一日で、約35000人の1日分の穀物を食べ尽くすと言われています。ただのバッタといって侮れるレベルではありません。
5月の時点でサバクトビバッタの数は4000億匹程度と推定されていましたが、FAOは、6月にはその数が500倍になると予想していました。
まさに世界の農産物が、脅威にさらされています。
今回の大発生の発端は、2018年に発生した2つのサイクロンでした。
5月と10月に、インド洋のベンガル湾で発生したサイクロンによって、大雨がアフリカ東部やアラビア半島の南部にもたらされました。
もともと、その土地は乾燥地帯で、サバクトビバッタが少ない水を頼りにひっそりと暮らしていました。
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