アップル・グーグルアプリは「配慮しすぎで使えない」 監視の色強めるシンガポール
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新型コロナ対策のため、感染者との接触を通知するアプリの導入が世界中で進んでいます。日本はアップル=グーグルが開発したAPIを使っていますが、アプリ導入で先行したシンガポールは結局これを断念し、独自アプリにこだわりました。
おかげでアプリはiPhoneでは使い勝手が悪いまま。さらにスマホを持っていない人もいることから、政府は独自のBluetoothデバイスを開発し、配布し始めました。アプリ自身も、当初はプライバシーに配慮した「非中央集権」型のしくみでしたが、バージョンアップが重なるにつれ、政府がサーバーに集めた情報と連動させる「中央集権型」の色が濃くなってきています。
「監視」と「見守り」の境はどこにあるのか。それがGLOBE7月号のテーマ。これからしばらく特集しますので、どうぞよろしくお願いします。
https://globe.asahi.com/feature/11030685
追記)私自身は身分証番号と連動していなかった旧バージョンアプリを使っていて、いまバージョンアップしようとしているところです。利用者がまだ少ないので、どれほど役に立つのかは分かりませんが、自分だけでなく、まわりの人のためにもなるのなら、と思います。さらに、ブルートゥースデバイスは発表の時に「国内全員に配る」と言っていたので、最終的にこのアプリも義務化されることになるのかもしれません。悩ましい問題です。
フランスでは3月のロックダウン直後は外出時には政府指定の外出理由書を紙に印刷して署名する必要がありました。やがて規則は緩和され、政府のウェブページでQRコード入りの理由書のPDFを作成してそれをスマホに入れておけばOKとなりました。
この際フランス政府は「市民の情報は一切収集しません」と胸を張っていたのですが、事実その理由書作成ページはPDFファイルの作成からQRコード生成までブラウザ上のJavaScriptで完結しサーバー側に一切データを送信しない、「そこまでする?」という徹底したものでした。
ところが、接触追跡アプリに関してはフランスは独自方式を選びます。大きな違いはGoogle・Apple方式は記事にもあるように接触情報を各デバイスに保存するのに対してフランスのStopCovidは中央サーバーにアップロードする点です(仮名化はされています)。この点に対してフランス内外の研究者から疑問の声が上がったほか、Google・Apple方式を採用した他のEU諸国のアプリと連携してEU域内での国境を跨いだ追跡するのも困難という懸念があります。
こういった不評が先行していまい、今のところStopCovidのインストール率はドイツ等のアプリと比べても極めて低調です。シンガポールは国民主権や政治への参加を制限して開発独裁でうまく行きました。思想として完全な民主主義ではありません。危機の時に顕著に現れる。コロナの封じ込めを通じて国民の不満が爆発しないようにギリギリまで独裁の顔を出したくないでしょう
"政府はこの手法は取らず「非中央集権型」のしくみにこだわった"