[東京 3日 ロイター] - 日銀は3日、金融機関のクロスボーダー送金のコストについて分析したリポートを公表した。日本は諸外国に比べてコストが高く、国内送金を担う全銀システムと海外送金を担う外国為替円決済制度の二重構造による非効率性が影響している可能性があると指摘した。

リポートは、国際社会の取り組みにもかかわらず国際送金の手数料の引き下げが進んでいない現状を指摘。世界銀行の調査を引用し、日本は銀行を経由した送金コストが他国に比べて高いとした。その上で「日本固有の決済制度やビジネス慣行などに起因する要因がコスト高につながっている可能性が考えられる」との見方を示した。日本では、銀行システムとSWIFT(国際銀行間通信協会)との接続にIT企業がベンダーとして介在することがコストを押し上げている、との指摘があることにも触れた。

全銀システムの手数料改革は政府の成長戦略の目玉の1つになっている。

(和田崇彦)