[ロンドン 3日 ロイター] - IHSマークイットが発表した6月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は48.5と前月の31.9から大幅に上昇した。ロックダウン(都市封鎖)の緩和で事業再開が拡大し外出する人が増えたことが背景。速報値は47.5だった。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行による低迷からユーロ圏経済が目覚ましいスピードで回復しつつあることを示す内容だ」と指摘した。

さらに「景況感の改善を受けて第3・四半期の域内総生産(GDP)がプラス成長に戻るとの期待が高まる」との見方を示した。

6月のユーロ圏サービス部門PMI改定値も48.3と前月の30.5から大きく改善した。速報値の47.3から上方改定された。

キャピタル・エコノミクスのジャック・アレンレイノルズ氏は「6月の急上昇は経済活動の急回復を示すが、危機前に比べれば引き続きかなり低迷している」と述べた。

価格引き下げにもかかわらず需要は低調だった。サービス部門の雇用指数は43.9と5月の37.9から上昇したものの4カ月連続で50を下回り、依然低い水準にとどまっている。

ウィリアムソン氏は「企業は引き続き基調として需要が弱いとしており、経済見通しが不透明なため、支出や雇用に消極的で、なおリスクを回避している」と分析した。

アレンレイノルズ氏は「雇用指数は生産ほど回復を示しておらず、採用を増やすほど強い状況には遠いことを示している。雇用は依然として大幅な低迷となっている」との見方を示した。

一方、1年後の事業見通しは改善し、総合PMIの将来の生産を示す指数は前月の46.8から56.9へ上昇した。

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