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アパレルではプロパー消化率、値引き販売の値引き、廃棄のミックスで粗利が決まります。値引きや廃棄は悪とされますが、一方で季節やトレンドが移り変わり、色やサイズも多い中で正しい発注をするのは難しく、残った商品をそのままにすると店頭の鮮度が下がるし、残ることを恐れて発注を減らすと本当はもっと売れた商品が品切になり機会ロスが生まれるため、必要悪というのがこれまでの一般的な認識。プロパー消化率をあげるには発注から納品のサイクルを短くして初回ロットを下げて追っかけで追加発注を回すか(究極は受注生産)、そもそも売り切れごめんで少量しか作らずに商品を回すか、という二つしかありませんでした。今回はEC強化と同時に発表してるので、余っても店からは在庫を抜いてECでさばけばよい、ということなのかもですが、それにしてもセールを使わずにどう売り切るつもりなのか、新たな技術などによって生産リードタイムを縮めることも取り組んでいくのか、そのあたりの戦略が知りたいところです
伝統的な百貨店や大型スーパーでは30〜40%、セレクトショップやユニクロあたりでも50-60%程度だと思いますので、TSIの目標はかなり意欲的な水準と言えます。
とはいえ、テクノロジーの進化、消費者の価値観変化、企業のESG活動強化の流れを受けて、シーズン後半の値下げを前提にアパレル製品を大量に作り込むビジネスモデルは早晩終わりますので、極めてまっとうな方針だと思います。
適量作り、定価で売り切り、セールをしないことは、定価で買ってくれるお客さんを裏切らないという結果につながるからです。
じゃあどうやって規模を追うかっていうと、ポートフォリオを積み上げていくようなアプローチになるんでしょうね。
TSIさんがここに本腰入れるというのは業界的にポジティブに働くような気はします。
ちなみにZARAのプロパー消化率は80％。
ZARAレベルの、トレンドをつくる→必要ロット生産→空輸で世界中の一等地店舗に届ける→売り切る・・という高速回転型のモデルをつくって実現している数字です。
小規模のアパレルD2Cブランドであれば、SPECのような受注・生産・販売するシステムを入れてプロパー消化率を高めることは可能になってきている。（この生産一体型のプラットフォーム発想は素晴らしいと思っています）