2020/8/6

【アットコスメ 社長】成功するために重要な「3つのこと」

田村 知子
niwa no niwa エディター&ライター
化粧品クチコミサイト「@cosme(アットコスメ)」を日本最大のコスメ・美容の総合サイトに進化させ、EC事業、実店舗のほか、SaaS型のマーケティング支援サービスなどを展開するアイスタイル。

1999年7月の創業以来、生活者情報を一気通貫して分析できる独自のデータベースを構築し、ユーザーとメーカーをつなぐことで、「生活者中心の市場創造」を目指してきた。ITバブルの崩壊や現在のコロナショックに直面しても、そのビジョンは揺らがない。

インターネット黎明期から業界の常識にとらわれることなく、果敢に変革に挑んできた創業者・吉松徹郎氏に、「マーケットデザインカンパニー」を掲げ続ける経営哲学を聞いた。(全7回)
ITバブルの崩壊で資金難に
@cosmeは99年12月3日にグランドオープンしました。
当初は創業パートナーの山田メユミと、前職の同期や仲間が手弁当で手伝ってくれていました。各自本業の仕事が終わってから、夕方になると人が集まってくる。ほとんど文化祭のようなノリでした。
創業パートナーの山田メユミ氏(左)と
翌2000年にはベンチャーキャピタル(VC)から3000万円の出資を受け、ようやく数名を正社員として迎えて、給料が払えるようになった矢先、いわゆるITバブルに陰りが見え始めました。
2月には、六本木のヴェルファーレで、ITベンチャーの関係者が集結するイベントが開かれていました。
そのイベントに参加するため、孫正義さんが3000万円で飛行機をチャーターして、スイスのダボス会議から駆けつけ、会場を沸かせました。僕も、孫さんがスピーチをしたそのステージに立っていたんですよ。
(写真:TomasSimkus/iStock)
そんな高揚感から一転、半年もしないうちに市場がおかしくなってしまった。
次の資金調達に動いているうちに、「1億円くらいなら1週間以内に振り込めます」と言っていた人たちが、手のひらを返すように去っていきました。
それでもなんとか資金を調達しようと、100人以上のVCや投資を検討してくれる方を訪ね回ったと思います。
当時は日本のVCの勃興期でしたから、あらゆるところにお願いにいきました。でも、手を挙げてくれる人はいなかった。
ある人からは、「君はまだ土下座していないよね? この前に来たヤツは、僕の自宅の前で土下座して、そのまま朝までそこにいたよ」と言われました。今でも忘れないですね。
8月には債務超過に陥って、給料も払えない状態になりましたが、メンバーとは「お金がないことが、やりたいことをやめる理由にはならないよね」と話し合い、いざとなったらみんなで副業でもしながら続けるつもりでいました。
エンジェルとの不思議な出会い
そんな時に、知人が「ファンドを立ち上げて出資先を探そうとしている人がいるから、会ってみないか」と声をかけてくれました。
その人は九州にいるということで、山田と2人で、藁にもすがるような思いで会いにいきました。