[ワシントン 2日 ロイター] - 米トランプ政権当局者は2日、一部の州が新型コロナウイルス感染の再拡大を受けて制限措置の再導入に踏み切ったことに支持を示しながらも、政権のコロナ対応を擁護し、米経済再開見通しに楽観的な見方を示した。

ペンス米副大統領はCNBCとのインタビューで、経済活動再開に向けた動きを一時停止した各州知事の決定を支持すると語った。同時に「全米にマスク着用を命じる必要性は感じていない」とし、「われわれは感染者数が増加し、検査の陽性率が上昇している12州の状況を監視しており、衛生管理やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)、それが不可能な場合にはマスク着用を奨励している各州知事や地元保健当局者を支持している」と語った。

さらに、ウイルス感染で閉鎖されている学校が秋から再開されることや、経済活動再開に向けた取り組みが継続されることを確信していると語った。

ペンス副大統領はこの日、フロリダ州を訪問し、デサンティス知事と会談。新型コロナの感染拡大を抑制するため、知事が取った「賢明な措置」に支持を表明した。

ムニューシン財務長官は、一部州が「特定の経済活動を一時停止」したことは「適切」と語った。

早期の経済再開を各州に促したことが裏目に出たか、ホワイトハウスは後悔しているかという質問に対しては「そのようなことは全くない。安全に経済を再開する方法はあり、われわれは慎重に進めている」と応じた。

経済再開に伴い、米国では新型コロナ感染者数が増加し、ロイターの算出によると、フロリダ州ではこの日、新型コロナ新規感染者が1万人を超え、これまでの最多を更新した。

カリフォルニア州では過去2週間に感染者が37%増加、入院率は56%上昇している。

ロイターの分析によると、全米50州のうち37州で過去2週間に新規感染者がその前の2週間と比べ、増加している。

米国全体の感染者数も前日約5万人増と、1日当たりの感染者としては過去最多を記録した。

米国の新型コロナ感染による死者は現在、12万8000人を超え、世界全体の4分の1近くを占めている。

こうした中、トランプ大統領は、朝方発表された6月の雇用統計が好調だったことを受け、多岐にわたる分野で雇用増が見られ「歴史的な数値」だったとし、「米経済は勢いよく回復している」と述べた。

11月の大統領選で民主党の候補指名が確実となったジョー・バイデン前副大統領は、トランプ大統領のコメントを批判。「1500万人近い国民が失業状態にある中、勝利を宣言するのはやめるべきだ。新型コロナ流行の現実と米国民の死を無視すべきではない」と言明した。

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