2020/7/30

【山本康正】人間は環境の動物。自分が伸びる場所に身を置こう

山本 康正
dnxベンチャーズ インダストリーパートナー
京大、東大、ハーバード、三菱東京UFJ銀行、ニューヨーク、グーグル、シリコンバレー、ベンチャーキャピタル……。DNX Venturesのインダストリー パートナー、山本康正氏の略歴には多様なキーワードが並ぶ。

しかし、その軌跡に目を凝らすと、単なるエリートとは違う「意志」が透けて見えるはずだ。その意志とは、「理系と文系」「民間と政府」「日本とシリコンバレー」など異なる分野の架け橋になりたい、というもの。異なる分野をつなぐには、広く、かつ深い知識を学ばねばならない。

キャリアを進めるたびに未知の世界へ飛び込んでいく山本氏の軌跡を追いつつ、働くうえで大事にしている「仕事の哲学」を聞いた。(全7回)

池上彰さんのテクノロジー版

グーグルに入ってびっくりしたのが、社内に銀行出身の人がほとんどいなかったことでした。
エンジニアの人はプログラミングなどにはものすごく強いのですが、「このサービスはビジネスモデルとしてどうすべきか?」というような話をする人がそれほど多くない。
だから私はグーグルでは「変わった人」でした。でもそのほうが誰とも競合せず、ポジション的によかったです。
「アメリカと日本のリーダーシップ・プログラム」にて、グーグルのオフィスを案内。山本氏は前列中央
私が就いたのは、インダストリーアナリストという仕事です。企業の社長、役員の方に、今でいうDX(デジタルトランスフォーメーション)のことを説明し、会社のデジタル変革を促すことをしていました。
日本企業の多くは、速すぎるテクノロジーの変化についていけていません。特に経営陣は忙しいという理由もあって、ついていける人が少ない。
なので、それをわかりやすく解説したり、こうしたほうがいいですよと提案していました。いわゆる池上彰さんのテクノロジー版です。