【3分解説】ふるさと納税「国vs泉佐野市」の歴史

2020/7/2
ふるさと納税をめぐる「国vs泉佐野市」の争いに決着がついた。
6月30日、最高裁判所は、国が大阪府泉佐野市をふるさと納税制度の対象自治体から除外したのは違法だとする判決を下した。
大阪高等裁判所では国に軍配が上がったが、その判決は破棄され、泉佐野市の逆転勝訴となった。
この結果を受けて、泉佐野市の千代松大耕市長は、6月30日に行われた記者会見で「正直自信がなかった」と発言。いかに劇的な結末だったかがわかる。
この逆転劇は、どのようにもたらされたのか。戦いの歴史とポイントを整理する。

矛盾を抱えた「ふるさと納税」

地方に生まれて教育を受けた人が、進学や就職を機に地元から離れて納税をするようになる。その結果、教育の機会を与えた「ふるさと」には税収が戻らない。
こうした問題を解決するために始まったのが「ふるさと納税」だ。
そもそもは2008年、第一次安倍内閣の総務大臣(当時)だった菅義偉官房長官の肝いりでスタートしたもの。「税収が減る可能性がある」ことから、当初から財務省や総務省内では反対する声もあった。