三菱航空機、赤字5千億円超 20年3月期、開発損失響く
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注目のコメント
数字面の話は置いておいて、
これって今の日本のメーカーの課題を
象徴的に表しているケースです。
飛行機というのは、機種ごとに仕様が違い、
ある意味、先日オリンパスのところで申し上げた、OSであり、冨山さんがおっしゃるアーキテクチャーから作り込む作業となります。
そこに自動車の部品数(3万点)とは比べ物にならない、300万点(ジェットエンジン1機の部品数でさえ20万点)をチューニングしていかなければなりません。
しかも、その甚大な影響を鑑みれば、
技術トラブルで墜落させることは、
絶対にあってはならない領域です。
それだけハードでシリアスな業界です。
おそらく三菱はアプリケーション(部品製造技術)は出来ているが、それを司るOS、アーキテクチャーの設計が上手く行っていない。
その証拠として、航空機の部品の大半は日本製ですが、アーキテクチャーを構築しているのはボーイングであり、エアバスです。
もっと分かりやすく言えば、三菱は部品でなく、iPhoneそのものを作ろうとしている。
日本人が一番苦手なところです。
歴史的には、ゼロ戦があり、YS-11までは、アーキテクチャー、OSを構築出来ていた。
これは日本が経済列後している原因の一つであるとは思っています。
ただし、一つだけ希望があります。
主翼上面エンジンを設計開発した
ホンダジェットです。
アーキテクチャー、OSを開発出来た。
今ホンダジェットはこのサイズのジェットの
圧倒的なシェアを誇っています。
仮に三菱がこのサイズのジェットを
開発しても上手くいかなかったでしょう。
やはりホンダと言う感じですか。たまには三菱の肩を持ちますと、三菱も1960年代にMU-2という小型ビジネス機(プロップ機)を開発し大成功をおさめ、また1980年代にはMU-300というビジネスジェットを開発したもののオイルショック後の不況や日米貿易摩擦の影響により米国企業(ビーチクラフト社)に事業そのものを売り渡さざるを得なかった(その後90年代の米国の好況に支えられベストセラー)ような状況で、決して三菱の経験が浅かったり、基本的な技術力が不足していたというわけではありません。ざっくり言えばですが、50年前には三菱もホンダのような扱いを受けていたのです。
ただ、MRJ改めMSJの現状がそれでよくなるわけではありません。まずはしっかり型式証明を取得しないことには何も前に進みません。また、買収したCRJ事業をどうするつもりなのかという点についても説明が求められるでしょう。