A MESSAGE OF HOPE

【A MESSAGE OF HOPE(連載:希望へ、伝言)】Vol.130 秋元康──僕はなんだか胸が熱くなる

作詞家でプロデューサーの秋元康さんは、同時代に生きる仲間たちとともに、新しい時代を迎えたいと言います。

──先の見えない日々ですが、それでも前向きに生きるためのメッセージをいただきたく存じます。GQ読者へ、自分へ、家族へ、日本へ、世界へ……メッセージの対象はだれでも構いません。

この未曾有の事態は、僕たちに哲学的問いかけを投げかけてくる。誰もが経験したことのないウイルスと対峙した僕らは、どう生きるべきなのか、なにを考えるべきなのか。

都市とは? 仕事とは? 家族とは? 友だちとは? コミュニケーションとは?

いま世界中が平等にこの困難と立ち向かっている。NYで、ロンドンで、東京で、アフリカや南米でも、みんなが同じ敵と戦っている。国境も、人種も関係ない、その世界中の息づかいを感じるとき、僕はなんだか胸が熱くなる。「人類への警鐘」などと大げさなことをいうつもりはない。でも、なにかしらの意味はきっとあるのだと思う。ひとりひとりがこの新型コロナウイルスが引き起こすさまざまな出来事と向き合い、考え、答えを出しあっていったとき、そこに新しい哲学が生まれるのではないだろうか。リーダーが誰かなんて関係ない。世界中、みんなで考えていくことが大切なような気がする。

いつかこの問題が終息したとき、そこには新しい哲学があり、新しい時代がある。その時代が変わる瞬間を僕は見ていたい。僕らが同じ時代に生きているのは、偶然であり運命だ。セレンディピティといってもいい。その同時代に生きる仲間たちとともに、新しい時代を迎えたいと思う。

PROFILE
秋元康
1958年、東京都生まれ。TV、舞台などの企画構成、映画の企画・原作、CMやゲームの企画など、多岐にわたり活躍中。AKB48グループと坂道シリーズの総合プロデューサーも務め、楽曲の作詞も手掛けている。


“A MESSAGE OF HOPE”(希望へ、伝言)は、『GQ JAPAN』2020年7/8/9月合併号の特集連動企画です

5月18日スタートのWEB特別企画、“A MESSAGE OF HOPE”は、5月25日発売の『GQ JAPAN』に掲載される特集、「私たちは、どう生きるか」との連動企画です。雑誌『GQ JAPAN』は、新型コロナウイルスの感染拡大がつづくなか、各界の著名人に、この未曾有の危機に際して、ポジティブなメッセージを送ってくださるように依頼しました。結果、ファッション・芸術、音楽・芸能、デザイン・建築、文化・報道などの分野で活躍する内外の161人のかたがたから、この企画へのご参加をいただき、雑誌では、いただいた回答をもとに特集を構成しました。この特集に連動して、161人のかたがたからいただいたメッセージをすべて、割愛することなく紹介するのがこの特別企画、“A MESSAGE OF HOPE”(「希望へ、伝言」)です。毎日、2人からの、メッセージを紹介する予定です。