【提言】子どもを「夢」から守るための4つの心得

2020/6/28
「夢を持つこと」を無自覚に若者に強要し、彼らを生きづらさへと追い込む「ドリーム・ハラスメント」。その戦慄の実態を告発した『ドリーム・ハラスメント』(イースト・プレス)の著者である高部大問氏が、「夢に支配されない生き方」を提言する本連載。
最終話では、家庭内で「ドリハラ」を起こすことなく、子どもの人生をエンパワーしていくための「保護者の心得」を考察する。
【新】「ドリーム・ハラスメント」が若者を潰す
「やりたいことをやれ」という呪い
──前回のインタビューでは、学校教育がいかに若者に「夢」を強いてきたかを解説していただきました。一方で、高部さんは「保護者の責任」についても指摘されていますね。
高部 教育に呼応するように、家庭も若者たちに夢を求めてきました。
全国高等学校PTA連合会とリクルートが隔年で実施している「高校生と保護者の進路に関する意識調査」によると、近年、「保護者が子どもと進路の話をする際によく使う言葉」のトップに挙がっているのは「やりたいことをやりなさい(自分の好きなことをしなさい)」です。
同調査の中で見逃せないのは、この言葉に対して、「重圧感」を感じる子どもの存在が報告されている点です。
「やりたいことをやりなさい」という言葉も、ある意味、悪意なき呪縛です。そう言われると、「やりたいこと(=夢)はあったほうがいいんだ」という解釈になるのは無理もありません。
そこに子どもは無言のプレッシャーを感じ、「やりたいこと」が見つからない自分を責めることになるのです。
ヘタに「干渉」しない
──子どもにプレッシャーを与えずにエンパワーするには、どうすればいいのでしょうか?
普段から「お子さんの生き方を観察する」という作業は、習慣的にやっておいたほうがいいと思います。
保護者向けの講演で、私が毎回オーディエンスにお願いしているのは、「あなたのお子さんの“ポリシー”を、隣の人に説明してみてください」ということです。
「ポリシー」というと抽象的に聞こえますが、要するに「お子さんが大事な決断をするときの判断基準をひとことで説明してください」ということですね。
すると、みなさんほぼ言えないのです。それくらい、人は自分の子どもについて理解できていないということです。