【清明祐子】マネックス松本大から後任を託された女性社長の素顔

2020/7/12
2019年4月、マネックス証券の社長に清明祐子氏が就任した。
現会長の松本大氏がネット専業証券として創業してから20年。メディアでは「ネット証券初の女性社長」「41歳の若さ」という見出しが躍り注目を集めたが、本人に気負いはなく「自分はごく平凡な人間」だと語る。
カリスマ経営者から後任を託された清明氏とはどんな人物なのか。そのキャリアの軌跡を追いながら、「松本大のマネックス」から「みんなのマネックス」を掲げる経営哲学を聞いた。(全7回)
清明祐子(せいめい・ゆうこ)/マネックス証券 社長
2001年に京都大学経済学部を卒業後、新卒で三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。2006年からMKSパートナーズ(プライベート・エクイティ・ファンド)の参画を経て、2009年2月にマネックス・ハンブレクト(2017年 にマネックス証券と統合)に入社し、2011年に同社社長に就任。2019年4月よりマネックス証券社長(現任)、2020年1月マネックスグループ代表執行役COO(現任)に就任。

突然の打診から社長就任

2019年4月に、マネックス証券の社長に就任しました。前社長の松本大が1999年に創業してから20年。インターネット証券は一定の支持を得て、「業界」として語られるまでになりました。
次の20年、そしてその先を見据えたときには、誰かが松本の後継となる必要があります。そんな節目のタイミングに松本から指名を受けて、マネックスのさらなる成長のために自分にできることがあるならば、臆せず挑戦してみよう。そう覚悟を決めました。
2019年、創業20周年パーティーであいさつをする清明氏。左は松本大氏
とはいえ、松本から社長就任の打診があったときは戸惑いました。あまりにも突然のことだったのです。
私はマネックスグループ全体の企画を統括していて、松本とはある意味、二人三脚で仕事をしてきました。
打診があったのは3月半ばを過ぎた頃のミーティングの最中で、来期の体制やマネックス証券を含めた子会社の人事などについて話をしているときでした。
「証券は清明がやってよ」
松本大氏(写真:小島マサヒロ)
かしこまった感じでもなく、会話の流れでそう言われて、本当に驚きました。