[ワシントン 25日 ロイター] - 米商務省が25日発表した5月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比2.3%増と、プラスに転じた。市場予想の1.0%増を上回った。

ただ3月と4月の大幅なマイナスを相殺するほどの勢いはなかった。広範な経済活動が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が引き起こした低迷から持ち直す中、設備投資は遅れを取る可能性を示唆した。

4月のコア資本財受注は6.5%減だった。

5月の前年同月比は2.5%減だった。

国内総生産(GDP)の設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷は1.8%増。4月は6.2%減だった。

企業は新型コロナの感染拡大を抑えるため、3月中旬に事業を停止。その後の再開で、経済はひとまず改善している兆しがある。

5月は小売売上高と住宅建設許可件数、新築住宅販売が力強く回復。ただ需要の弱さや新型コロナ感染の増加、供給網の混乱により設備投資が抑制されており、経済回復にリスクを及ぼしている。

エコノミストは設備投資が第2・四半期に落ち込み、5四半期連続のマイナスになるとみている。米アトランタ連銀は第2・四半期の国内総生産(GDP)が過去最大のマイナスとなる年率45.5%減と試算。第1・四半期GDPは5.0%増と、2007─09年の景気後退(リセッション)以来の大幅な落ち込みだった。

5月の全体の耐久財受注は前月比15.8%増。4月は18.1%減だった。耐久財はトースターから航空機まで3年以上使われるモノを指す。6月は製造業業況指数が過去最低水準から持ち直しており、5月の耐久財受注の増加はその傾向と一致している。

内訳は、輸送機器が80.7%増。4月は48.6%減だった。米航空機大手ボーイング<BA.N>のウェブサイトによると、5月の受注は9件と、4月の0件から増えた。

自動車・同部品は27.5%増加した。