【ローソン社長】コンビニ苦戦、100円の好調に見えた「新潮流」

2020/6/30
新型コロナウイルスが変えた人々のライフスタイルは、消費行動も大きく変えている。これからの消費スタイルとは、一体どのようなものなのか。
本特集「消費のネクスト・ノーマル」では、その未来を探るため、第1回目の記事で約400社の売り上げデータから新たなトレンドを複数見つけた。
特集第2回目の本記事では、コンビニ大手のローソンで社長を務める竹増貞信氏に「消費の最前線」で起きていることについて語ってもらう。
ローソンの本業は、もちろんコンビニであるが、グループ企業には、高級スーパーの「成城石井」、100円コンビニの「ローソンストア100」などの食品ストアだけでなく、映画館のユナイテッド・シネマや音楽ショップのHMVも傘下に持つ。
さらに、コンビニ事業では中国進出にも積極的で、上海に1500以上の店舗を構える一方で、コロナの震源地となった武漢には400店舗を構えている。
こうした多角化経営のなかで、コロナの影響をさまざまな形で受けるローソン。その経営トップの竹増社長は「消費の未来」をどうとらえているのか。NewsPicks編集部の独占インタビューで語った。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)ローソン代表取締役社長兼CHO 。1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、1993年三菱商事に入社。2010年、同社総務部兼経営企画部社長業務秘書。2014年、ローソン代表取締役副社長兼法人営業本部長。2016年、代表取締役社長COO。2017年、代表取締役社長兼マーケティング本部長。50歳(撮影:加藤昌人)

コンビニの売り上げはなぜ下がったのか

──国内のコンビニ事業は、コロナの影響をどう受けていますか。月次売り上げ速報では、3月がマイナス5.8%、4月が前年比でマイナス12.6%、5月はマイナス11.2%と厳しい状況が続いています。
竹増 3月末の東京都の外出自粛要請、そして、4月7日の政府による緊急事態宣言で、全国の店舗で売り上げに大きな影響が出ていきました。
一番厳しかった時期は、5月のゴールデンウィークです。ゴールデンウィークが明けてからは徐々に人も動き始めています。
──コロナの影響でスーパーやドラッグストアは売り上げを伸ばしましたが、コンビニの売り上げはなぜ下がったのでしょうか。
ローソンの場合は、オフィス街や繁華街にもたくさん店舗があります。観光地にも店舗があります。
実は、こうした立地のコンビニは、コロナ前の時は、安定的な売り上げがある「鉄板の店」でした。