テレワークでもこれまで以上に仕事が片付くチームには、どんな共通点があるのか。人材コンサルタントの片桐あい氏は「リーダーが『エスカレーション、デリゲーション、プレゼンテーション』という3つの重要性を理解しているかがカギになる」という――。
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上位者への相談「エスカレーション」に対応できるか

「エスカレーション」という言葉は、IT業やコールセンターで頻繁に使われる言葉ですが、もともとは上位者に相談したり、対応を要請したりすることを指します。

例えば、コールセンターだと、オペレーターが電話に出たけれど対応ができないような内容であった場合に、エスカレーションが発生します。また、ものづくりの場合には、発生した障害を開発側に対応してもらうこともエスカレーションと呼びます。

リーダーの手腕が問われるのは、部下からのエスカレーションに的確に対応できるか? リーダー自身で対応できないような案件の場合、リーダーの上司や他部署やステイクホルダーへタイムリーで適切なエスカレーションができるか? の2点です。

部下は上司を観察しています。例えば、部下からのエスカレーションに期待通りのスピードで期待通りの内容に対応してくれた場合には、上司の評価が上がります。しかし、せっかくエスカレーションしたのに、回答はないし、そもそも対応してもらっているような様子もない。進捗を確認したけれど、「忘れていた」などということがあれば、部下からの信頼度は一気に地に落ちます。

「管理リスト」を作ると抜け漏れなく対応できる

そこでお勧めしたいのは、エスカレーションの管理リストをつくることです。具体的には、いつ誰に何を問い合わせたか、その回答は誰からどんな内容でもらったのか。あるいは、問い合わせ先から回答がまだもらえていないのであれば、回答期限はいつかを書き出し、エスカレーションの状況を「見える化」します。

もらった回答も誰でも見られるようにしておくと、同じエスカレーションが多方面から上がってくることもなくリーダーもメンバーも仕事のダブりもなく、エスカレーション件数も減少します。

そのリストからFAQ(よくある質問)を作成することもできますし、お試しいただければその効果が絶大だということに気づいていただけることでしょう。