【亀山×けんすう】損をしない道よりも、ジタバタする道を選ぶ

2020/7/5
「亀っちの部屋」Season2。DMM.com会長の亀山敬司氏がゲストを迎えて脱力系ながらビジネスの本質をつく対談企画だ。
今回のゲストは、起業家で漫画コミュニティサービス「アル」代表の、「けんすう」こと古川健介氏。インターネット黎明期の2000年から、「したらば掲示板」をはじめ、さまざまなネットサービスに携わってきた。
そんななか2019年、古川氏は「アル」を立ち上げる。再び新しいサービスを一から立ち上げた背景には、どんな思いがあるのか。
そして古川氏といえば、Twitterやブログ(note)が多くの人に支持されることでも知られる。文章から垣間見える彼の考えについて、亀山氏が掘り下げていく。
*音声はこちらからお聞きください

漫画を作らない・売らない「アル」

亀山 「亀っちの部屋」Season2、始まります~。今回はMCとして、サラタメさんに来てもらいました。知らない人もいるだろうから、軽く自己紹介して。
サラタメ 初めまして。サラリーマンの傍ら、副業でYouTuberをしている「サラタメ」と申します。YouTubeではおもに、ビジネス書の解説をしています。ありがたいことに登録者が25万人を超えました。
亀山 前にサラタメくんの番組に出たときに気が合ったから、今日は進行役に来てもらったんだ。じゃあ早速、今日のゲスト紹介をお願いしまーす。
サラタメ 今日のゲストは、連続起業家として知られている漫画コミュニティサービス「アル」代表の、「けんすう」こと古川健介さんです。
古川 よろしくお願いします。
サラタメ けんすうさんと言えば、2000年に19歳で学生のネットコミュニティ「ミルクカフェ」を立ち上げ、大学在学中はレンタル掲示板「JBBS@したらば」の運営会社「メディアクリップ」の社長に就任されました。
リクルートで新規事業に携わった後はハウツーメディアの「nanapi」を立ち上げ、2014年にはKDDIグループに参画。
そして現在は、2019年1月から開始した漫画コミュニティサービス「アル」の代表を務めています。今日はサービスの作り方や、けんすうさんの考え方について深掘りしたいと思います。
亀山 けんすうとは、よく会うんだけど、ちゃんと話したことないよね。お互いに自分から積極的に話すタイプじゃないし、周りににぎやかなやつが多いからね。
古川 そうですね、僕らは人の話をニコニコ聞く係ですよね。
古川健介(ふるかわ・けんすけ)/アル株式会社代表取締役
1981年生まれ。大学時代、「JBBS@したらば(通称:したらば掲示板)」運営会社の社長を務める。リクルートを経て、ハウツーサイト「nanapi」を立ち上げる。サービスを継承したKDDIグループのSupership株式会社では取締役を務めた。2019年、漫画コミュニティサービス「アル」をリリース。愛称は「けんすう」。
サラタメ 僕は「アル」使っているんですが、ちゃんと、使いこなせてない気がして。
古川 わかります(笑)。
「アル」は、漫画を愛する人たちのためのコミュニケーションメディアです。漫画好きの人が、次に読むべき漫画を発見できるサービスを作りたいと思って始めました。
よくSNSなどで、漫画の名場面が画像投稿されているのを見かけますね。それらの多くは個人が出版社に許可なくアップしているもので、引用の範囲内でない限り、著作権の観点でいうと黒に近いグレーのものが多かったりします。
しかし、それが取り締まられるべきかというと、ほとんどが「出版社も作者も宣伝になるし、ファン同士が楽しむレベルだったら、そこまで規制したいとも思っていない」というものだったりします。
全部読める海賊版などは問題ですが、SNSでファン同士のあいだで1コマが使われる分には、作品を楽しむ延長線上の話といいますか。
そこで僕たちは、出版社に許可を得たものをアルに投稿できるようにしています。その画像をユーザーが合法的にアップできるようにし、漫画がもっと盛り上がるためのお手伝いをするのが、アルの役割です。
アルのウェブサイト
ほかにも漫画の一部(許可を得たもの)を無料公開したり、漫画にまつわる記事を出したりと、あらゆる機能で漫画好きを集めています。
亀山 そうか、勝手に載せてるんだと思ってたよ(笑)。でも、アルで漫画を売ってるわけじゃないんだ。
古川 そうですね。漫画を作らないし、漫画を売らないポジションを取っています。
亀山 それは何のポジションなの?