【タッチレスが日常】日本が誇る、最先端の「顔パス」技術

2020/6/24
「非接触」テクノロジーが注目を集めている。
人を介さない配膳ロボットがレストランに導入され、宅配ボックスは不在時ではなくても非接触で受け取りができるツールとして使われている。
そんな非接触テクノロジーの王道となりそうなのが顔認証だ。すでに国際空港やスマートフォンの認証で導入されており、顔パスの手続きを体験済みの人も多いだろう。
今後は、このような利便性だけでなく、コロナウイルスの感染抑止という衛生面からもさらに普及しそうだ。
「Face ID」と称される顔認証は、海外で急速に広がっている。特に中国は決済などにも活用している、世界を先行して普及しているといわれる。
そうした状況と比較すると、日本で顔認証を利用する機会はまだ少ないかもしれない。
しかし技術面では、日本も世界の先頭を走っている国の一つだ。
その代表格となる企業がNEC。「withコロナ時代」にタイムリーな、マスク着用でも顔パスできる技術を開発した。
そこで今回、NECに顔認証を含む生体認証の可能性と課題について聞いた。
指紋認証、筆跡鑑定などを含めると、実は生体認証の歴史は長い。これから広がる、未来の認証システムの世界を探ってみよう。
あなたの体が「鍵」になる
ある人物が本人であることを特定する「認証」には、大きく3つの方式がある。
まず、暗証番号やID・パスワードなどを指す「知識認証」。次に、鍵、社員証、パスポート、住民票などの「所有物認証」。
そして3番目が、顔認証を含む「生体認証」だ。
昔からおなじみの筆跡鑑定やDNA鑑定、指紋認証なども生体認証に含まれる。このほか、静脈認証、声認証、耳認証などがある。
生体認証の強みは、体ひとつあれば済むというシンプルさにある。
パスワードの変更をたびたび迫られ、そのたびに覚えるといった面倒もなければ、鍵やカードのように紛失や盗難のリスクもない。
undefined undefined/iStock
そのため、最も手軽な認証方法として、世界中で研究開発が進んでいるのだ。
その中でもNECは、顔認証や耳認証のほか、虹彩、指紋、声、指静脈という全6つの開発に取り組んでおり、生体認証への投資に積極的だ。
なぜ、NECはここまで多くの生体認証に手を付けているのか。
それは、「人や場面によって、すべての生体認証が使えるわけではないため、いくつかの認証方法が必要」だからだと、NECデジタルプラットフォーム事業部エキスパートの山田道孝氏は理由を話す。
例えば、指紋が消えてしまっている人や、手袋着用時には、指紋認証は使えない。一方、暗い場所では、顔認証がうまく認識できない。
そのため、場面に応じて使い分ける必要がどうしても生じるのだ。
別の理由もある。
「よく勘違いされますが、暗証番号やIDパスワードのような他の認証方式と比べると、生体認証は認証精度が低いのです。DNA鑑定ですら、100%の認証精度ではありません」(山田氏)
だからこそ、2つ以上の生体認証を組み合わせることで、精度の低さを補う必要があるのだ。
では、数ある生体認証の中で最も普及が期待されているのはどれか。それが、人間の顔を認識して認証する顔認証だ。
「顔認証」の歴史は60年前から