【提言】今の働き方に「疑問」を感じている人へ

2020/6/23
誰もが、幸せ視点で働く時代が来る――。
テレワークの導入を中心に、これまでとは異なる働き方を求められたコロナ禍。多くのビジネスパーソンにとって、通勤、オフィスのあり方、仕事内容などを見直す契機になった。
「そもそも職場に行く必要はあるのか」「別の働き方ができるのでは」と感じるようになった人も少なくないはずだ。ただ、そうは言っても、誰しもがいきなり会社を辞めて、大きく稼げるようなビジネスを始めたりできるかというと、それは難しい。
一方で、企業が全ての人にとって働きやすい万能な環境や制度を提供するのは限界がある。
では、どんなビジネスパーソンでも、自らが満足できる働き方を実現し、「幸せ」に働くためには何が必要なのか。チームリーダーや起業家などに、そんな幸せ視点での事業創造や組織構築の方法を教えているビジネス・ブレークスルー大学経営学部の斉藤徹教授が解説する。
斉藤徹(さいとう・とおる)ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学経営学部教授/ループス・コミュニケーションズ代表取締役
1961年、神奈川県川崎市生まれ。慶應義塾大学理工学部を卒業後、1985年、日本IBM入社。1991年2月、ダイヤルQ2向けのサーバー開発などをするフレックスファームを創業。2005年7月、ループス・コミュニケーションズを創業し、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開。ソーシャルシフトの提唱者として「透明な時代におけるビジネス改革」を企業に提言している。2016年4月〜2020年3月、学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授。同4月よりBBT大教授。最新作に「業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち(光文社)」

ほとんどの会社は「お金視点」

コロナショックを機に、大きく変わることの一つが人々の仕事に対する意識だと思います。これまでの働き方について、疑問を持つ人が増えているのではないでしょうか。
例えば会社勤めの人にとって、コロナ前はオフィスへ行き、そこで働くのが当たり前でした。それに対して疑問を持たず、無意識的に出社していたり、疑問を薄々感じながらも、特に行動しなかったりする人がほとんどでした。
でもコロナが直撃し、強制的にテレワークが始まりながらも、これまでとあまり変わらずに働けてしまった。つまり、オフィスに行く必要がないことに気が付いたのです。
そして再び出社するようになることで、通勤時の満員電車など、これまでは当たり前だと割り切られていたものが、明確なストレスとして感じられるようになります。
それにより、「どこで働くのがベストなのか」「そもそも何で、この会社で働いているのだろう」と疑問を感じる人が少なからず出てくるでしょう。
すると、どうなるか。
「このままで良いのだろうか」と、家族との過ごし方、自分の本当にやりたいことなど、自分や他人の喜び、やりたいことを大切にした「幸せ視点」の働き方を探るようになるでしょう。
これは経営者、会社員、どちらの立場に限らず、誰しもに当てはまると思います。ただ経営者や起業家であれば、自分の意図で会社を変えられるので、その転換も割とたやすいでしょう。
でも会社に勤めているビジネスパーソンは、会社の方針もあって、自分だけ好き勝手に働き方を変えることは難しい。さらに言えば、日本のほとんどの会社は、売り上げや資産、利益などの最大化に価値を置く「お金視点」です。
(提供:斉藤氏)
幸せ視点の経営をしている会社は非常に少ない。
ではビジネスパーソンが、幸せ視点で働くためには、どうすれば良いのでしょうか。現実的な3つの方法を紹介します。

あなたが取れる「3つの選択肢」