【横川正紀】「メンバーが生み出す魅力」を最大化する

2020/6/20
「日本にしかないディーン&デルーカ」をゼロから育て上げた、ウェルカムグループ代表の横川正紀氏。そのユニークな経営哲学をひも解いた初の著書『食卓の経営塾 心に響くビジネスの育て方』(ハーパーコリンズ・ジャパン)が話題だ。
インタビュー第2話では、ディーン&デルーカの組織づくりから「社員の個性が最大限に発揮される環境」を考察する。
【新】日本のディーン&デルーカが「本国より成功」した理由
「選ばれる存在」になろう
──今回のコロナ禍では、ディーン&デルーカをはじめとするウェルカムグループの各店舗でも休業を余儀なくされました。
横川 東京都内の病院の医療従事者向け区画にある店舗と、一部店舗のテイクアウト以外は、全国全店舗を休業しました。
入社式も、今年はやむを得ずZoomで行いました。
新卒・中途合わせた66名の新入社員に向けてのメッセージの中で、とりわけ僕が伝えたかったのは、これほど大きな危機が起きて、人の価値観がくつがえり、生活のスタイルも激変していく中で、人にとって本当に大切なモノやコト、つまり「本質」が、いよいよ浮き彫りになってくるだろうということです。
この数カ月間で、何が必要で何が不要なのか、かなりハッキリしてきました。だから僕らは、その中でお客さまに「選ばれる存在になろう」と呼びかけたのです。
──「選ばれる存在になる」ために大切なこととは何だと考えますか?
オンラインでの買い物やビデオ通話での対話などが増えれば増えるほど、人は「リアル」に特別感を抱くようになっていくでしょう。
実店舗での外食や買い物はもちろん、その先にある生産者や産地への興味、自然との関わり、物理的に距離を超える旅といったものに向ける期待感やニーズも、さらに高まっていくと思います。
その中でいかに選ばれる存在になれるか。その問いに欠かせないのは、「人」が生み出す魅力、つまり「個性」であり、事業やチームとしては「個」が生きる環境をつくるマネージメント力です。
ライバルは「個人店」
──横川さんが考える、「個」が生きる環境づくりについて教えてください。
僕はかねて「ライバルは個人店」だとメンバーに伝えています。