【解説】コロナが追い風「新興フィンテック」の躍進

2020/6/19
頼りにならない大手銀行
コロナ危機における小規模事業者支援策としてアメリカ政府が打ち出した「給与保護プログラム(PPP)」は、条件を満たせば返済が免除されるとあって、垂涎の的だ。
ニューヨークのブルックリンで映画製作会社を経営するドミニク・ピエトルザックは、第一ラウンドで融資を受けることができた1人。今から思えば意外な出来事が重なった結果だと、彼は振り返る。
ピエトルザックの会社は正社員が1人(自分だけ)なので、最初に申請したのはニューヨーク市の雇用維持助成金プログラムだった。ビル・デブラシオ市長がテレビで融資の概要を発表すると、その説明が終わるのも待たずに申し込み、3日後には銀行口座に数千ドルが振り込まれた。
続いて米中小企業庁のPPP融資について取引先の銀行大手キャピタル・ワンに問い合わせたが、同行は申請を受け付けていなかった(注:PPPの貸主は政府だが市銀が窓口になっており、申請は銀行に対して行う)。キャピタル・ワンは結局、第一ラウンドの財源が枯渇した時点でも、まだ受付体制が整っていなかった。
新型コロナ支援法案により「給与保護プログラム(PPP)」には3100億ドルが確保された(Anna Moneymaker/The New York Times)
無名の銀行が救世主に
これがピエトルザックにとっては吉と出た。会社を存続させようと模索するうちに、経理を委託している創業8年のフィンテック・スタートアップ「ベンチ(Bench)」からある提案を受け、これに賭けてみることにしたのだ。