[ワシントン/北京 18日 ロイター] - 米中の関係が悪化する中、ポンペオ米国務長官と中国の外交担当トップの楊潔チ・共産党政治局員が17日、ハワイで会談した。

米国務省によると、両氏は新型コロナウイルス危機への対応と今後の流行阻止に向け、米中間における完全な情報開示と共有の必要性を話し合った。

ポンペオ氏はまた、米中間の商業・安全保障・外交における完全に互恵的な関係の必要性についても協議したという。

一方、中国外務省の声明によると、楊氏はポンペオ氏に対し、米国は重要問題における中国の立場を尊重し、香港や台湾、新彊ウイグル自治区などの問題への介入を止め、両国の関係修復に努めるべきだと伝えた。また、両国間の協力が「唯一の正しい選択」だと述べた。

中国国営メディアは18日、楊氏とポンペオ氏が建設的な話し合いを行い、双方が対話を継続することで合意したと報道。

中国共産党機関紙の人民日報は、双方がそれぞれの立場を完全に明確にし、ともに米中首脳会談での合意の履行に動くことで合意したと伝えた。会談内容の詳細には触れなかった。

米中の間では新型コロナへの対応や中国による香港への統制強化の動きなどを巡り緊張が高まっている。朝鮮半島情勢も緊迫する中、北朝鮮の核問題を巡り米中は懸念を共有している。

公表されている限りでは、楊氏とポンペオ氏の接触は新型コロナを巡る4月15日の電話協議以来。対面での会談は昨年以来となる。

米国務省高官によると、会談はホノルルで現地時間17日午前9時(日本時間18日午前4時)過ぎに始まり、午後3時50分(同午前10時50分)に終了した。

その間にトランプ大統領は、中国政府の新疆ウイグル自治区における人権弾圧に対する制裁法案に署名した。

またポンペオ氏を含む主要7カ国(G7)の外相は17日、中国に香港国家安全法制定の方針を実行に移さないよう求める共同声明を発表した。

*内容を追加しました。