"Black Lives Matter"どう日本語に訳すかという本質的な問い
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Black Lives Matter という標語を、
各種メディアが「黒人の命は大切だ」と安易に訳すことへの
違和感を抱えている方は多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、
その違和感が丁寧に言語化され詳細に解説されていました。
何を隠そう、こちらの記事は
東京大学前期教養学部での英語指導を総括されていた
矢口祐人先生が書かれたもの
(Yujin Yaguchi先生の方が馴染み深いでしょうか)
"Black"、"LIVES"、"MATTER"、
それぞれの英単語に含まれる重層的な意味と、
BLMの背景事情を踏まえて、とても丁寧に解説されています。
個人的に印象的だったのは次の部分です
「
「黒人」「命」「大事」は訳語としてはおおむね妥当だろう(中略)。とはいえ、どれもニュアンスを完璧に伝えているわけではない。背景にある歴史的、社会的意味を補って理解する必要がある。
最後に残されるのは、「は」か「も」のどちらかという問題である。
Black Lives Matterを単純に訳せば、「も」が入る余地はない。Black Lives Also Matterなどであれば別だが、「も」に相当する言葉はそもそも存在しない。だから、普通であれば「は」が正しい。…
ただ、朝日新聞などが敢えて「は」を「も」としているのは、Black Lives Matterの運動を観察したうえで、そちらの方が正しいと判断したからだろう。翻訳は単に言葉を置きかえる作業ではなく、読み手が理解できるような文脈に言語を書き換える作業だ。「も」とするのは、日本の人びとにわかりやすくBlack Lives Matterを説明する解釈行為である。…
ところが上述したように、Black, Lives, Matterのそれぞれの意味を考えてみると、Black Lives Matterが要求しているのはBlack Livesを他のLivesと同等に扱うべきという要求ではないことがわかる。黒人を白人と同等にせよという運動では決してない。むしろBlack LivesをMatterさせようとしない、アメリカ社会の構造的排除と差別に対する挑戦なのである。
」
BLMに限らず世界中の差別への抵抗に通ずるお話でもあるので、
是非、活動に興味がある人もない人も、一読して頂けたらいいなと思います
注目のコメント
禅語だと、これかしら?
『春色無高下 花枝自短長』
しゅんしょく こうげなく かし おのずから たんちょうあり
春の日差しはすべてに降り注がれるのに、花の枝の中には長いものや短いものがある。
自然界には、個性がさまざまでありながらも、うまくバランスをとって調和した美しさがある。
だから、みんなそれぞれ違ってよい。
ちなみに出会った禅語や素敵な言葉を書き留めているノートがあるのですが、
そこには、人間の使命は、人との調和に命を燃やすことだから。
とも書いてました。
自分のノートではありながら、当時どんな解釈したんだよ!?
って自分の発想に驚きましたけど 笑
個人的には、この問題とリンクして、すごくしっくりくる禅語。話題のDeepLに翻訳させると
『ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命を軽んじるな)』
って出てきておぉってなった。