エマ・ワトソンがケリングの取締役に就任 滴滴出行のジーン・リウ氏ら新たに3人
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既存のファッション業界を塗り替えるバックグラウンドを持った人材を揃えたようですね。サステナビリティやエシカルの推進、シェアリングエコノミー、女性のエンパワーメントなど、これらのキーワードはSDGsと切り離すことはできません。
フランスでは、2月に「廃棄物と循環型経済への戦いに関する法案」が施行され、製造業者、輸入業者、代理店、eコマースサイトに対し、売れ残りの洋服や非飲食品の廃棄を禁止し、チャリティーなどへの寄付が要求されるようになっていました。
近年の消費者のサステナビリティ意識の急速な高まりやアパレル業界への厳しい視線もあり、持続可能なファッションの在り方について事業者が真剣に考える基盤が整ってきたことに呼応した人選とも考えられます。
ケリングはファッションの先駆であるフランス・パリに拠点を置き、アレキサンダー・マックイーン、グッチ、サン・ローランなどの企業を擁するコングロマリッド。同社の方針がファッション業界全体に影響を与えないはずはありません。波及効果にも期待できそうです。2004年にGUCCIはフランスのPPR(ピノー・プランタン・ルドゥート)傘下になり、かのトム・フォードは退任。当時GUCCIに勤務していたワタシは驚きと失望、「もう、一人のデザイナーの存在とブランドプレゼンス&バリューがイコールである時代ではない」という、この件に関する社内外の理解に対しても、意味わかんねぇし!と思っていました。心の中で。
しかしながら、振り返って見れば、ケリング(グッチ)は確実にその道を全うしているように思います。数々の社会的メッセージと取り組み、デジタル戦略、そして確実にビジネスを成長させている。アレッサンドロ・ミケーレというスーパーデザイナーを擁しながらもそれだけで終わらない。今回の人事、エマ・ワトソンらの起用もそれを物語るトピックだと思います。引き続き注目したいです。こんなカッコいい人事があるだろうか。
ファッションブランドを経営陣で選んだことは今までなかったけれど、選択したくなるような人選。