[ジャカルタ 15日 ロイター] - インドネシア統計局が発表した5月の貿易統計によると、新型コロナによる世界的な貿易縮小で輸出入ともに2009年以来の大幅な落ち込みとなった。

輸出は前年比28.95%減の105億3000万ドル。石炭、コーヒー、原油、ガスの減少が響いた。ロイターがまとめたエコノミスト予想は17.98%減だった。

輸入は同42.20%減の84億4000万ドル、予想は24.55%減だった。輸入品全般に減少した。

貿易収支は20億9000万ドルの黒字で、黒字幅は予想の4億2000万ドルを上回った。

バンク・セントラル・アジアの首席エコノミストは、4-6月の国内総生産(GDP)は当初予想以上に落ち込む可能性があり、前年比最大で5%減となると指摘。中銀は今週決定会合を開くが「0.25%の利下げに踏み切るだろう。今月の貿易やインフレ統計が前月同様となれば7月にも追加利下げする可能性がある」との見方を示した。

一方で、バハナ証券のエコノミストは、金融市場のボラティリティーがこのところ高まっているため、中銀は判断は難しいとし、「経済成長は懸念されるが、安定性を重視する中銀はボラティリティー指標が高まっているなか積極的に利下げには踏み込むとは思わない」と述べた。

統計局によると、ラマダンによる祝日の時期は貿易が通常落ち込むとし、輸出入とも季節要因の影響を受けたとの見方を示した。