【野望】コロナ後の「覇権」は、中国が獲る

2020/6/15
この記事は、NewsPicksのグループメディア米Quartzの特集「China's changing influence(中国の代わりゆく影響力)」の一記事です。

チャイナ関係見直す各国

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、多くの国が中国の「実力」を思い知るきっかけになった。
そして中国には、自国の国民の命に影響を与えるパワーがあることも。
欧州連合(EU)の外相にあたるジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は4月、ヨーロッパは「パラセタモールを1グラムたりとも製造していない」と認めた。パラセタモールは、アセトアミノフェンとも呼ばれる一般的な解熱鎮痛剤だ。
一方、中国は世界で使われている抗生物質のほとんどを製造している。
元オーストラリア政府高官は、オーストラリア政府が最近、新型コロナの起源を調査するべきだと世界各国に訴えたことに対し、中国が貿易面で制裁と受け止められる措置を取ってきたことを指摘し、世界に大きな「警鐘を鳴らす」事例だと語った(ただし貿易を武器に外国に中国の要求を飲ませるやり方は、昔からあった)。
中国との関係が「黄金時代」にあるはずの英国も、もうこれまで通りの付き合いはできないと、ドミニク・ラーブ外相は語っている。
世界の国々は今、中国との関係見直しに急速に舵を切っている
(Photo by Du Yang/China News Service via Getty Images)