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「たとえわずかな金利でも超過準備に付されれば、民間銀行は進んで日銀準備預金に預けるだろう」

私はこれまでNewspicksなどで、ゼロ金利下で準備にプラス付利されれば通貨発行益は毀損させる一方、景気が回復せすゼロ金利が維持されるから量的緩和が財政問題を引き起こしていないと主張してきたが、この記事のようにそれに近い考えはこれまで見たことがなかった。

この記事の考えは、(私もそうだが)財政物価水準理論(FTPL) に近いと思われる。この記事では、ゼロ金利のまま財政支出を拡大させれば(統合政府なので、日銀が買いオペしようがしまいが)、物価上昇が財政赤字を調整するとしている。ただし、その物価上昇幅は大きいものの持続はしない(FTPL的か?)と予想している。しかし、私の予想でそれは景気の回復を伴わない物価上昇となる。もし、景気が(別の理由でも)回復すれば、金利をゼロに維持するのは難しい。金利が上昇すれば財政負担が更に増え更なる物価上昇が必要となり、物価上昇は更に名目金利を引き上げる。こうして物価上昇はある程度の期間持続的になり得る。(金利上昇の利払い増加を、景気回復の税収増で相殺できるかもしれないが、減税などをしていればそうはならないかもしれない。)

追記;それでも物価上昇が起きない理論的可能性もある。それは強いリカード効果がある場合であり、国民は累積財政赤字はかなりの程度将来の増税で相殺されると予想し、それに備えて現在の支出を控えれば、結果景気は回復しないし物価も上昇しない。財政赤字があっても将来増税はないと信じさせるのは難しいかもしれないし、それができたとしても、景気だけ回復し物価は上昇しないことは保証されない。