【提言】コロナが生んだ“DXバブル”に踊らされるな

2020/6/20
新型コロナウイルスの蔓延により、様々な産業でデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)の必要性が高まっている。
人に触れると感染するとの恐れから、非対面・非接触のニーズが喚起されると同時に、大幅な需要減によりオンライン上でのサービス競争が激化したからだ。
だが、AIスタートアップのエクサウィザーズが5月28日に発表した調査(同社のAI活用セミナーを受講した290社が対象)によると、「DXを積極的に推進できている」と答えた企業はわずか3%に過ぎない。
残る97%の企業は、いまだ時代の変化に応じたDXができていない──。
背景の一つには、DXに対する誤った認識がある。そこで、各企業のビジネスリーダーが表層的な“DXバブル”に踊らされず、デジタル化を完遂するためのヒントを、DXの推進役に聞いた。

失敗の原因はDXへの「誤認」

「実は、DXという概念を生み出した張本人が、もうDXという言葉を使わなくなっています」
そう話すのは、IT事業者向けのコンサルティングや研修を手掛ける、ネットコマースの斎藤昌義氏だ。