マウスの人工冬眠、成功 宇宙旅行への応用期待 筑波大など

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冬眠状態のマウス(右)は体温が低く保たれ、心拍数や酸素消費量も大きく減った=筑波大提供
冬眠状態のマウス(右)は体温が低く保たれ、心拍数や酸素消費量も大きく減った=筑波大提供

 マウスの脳神経の一部を刺激して冬眠状態にすることに成功したと、筑波大と理化学研究所の研究チームが11日付の英科学誌ネイチャーに発表した。ヒトを人工的に冬眠させる技術の開発につながる可能性があり、チームは救急医療や将来の宇宙旅行での応用に向けた「重要な一歩」と期待している。

 チームは、クマやリスのように冬眠をしないマウスを実験に用いた。脳の視床下部にある、これまで役割が明確でなかった神経細胞の集まりを薬剤で刺激。すると、マウスの体温は通常時の37度前後から24度前後に下がり、心拍数も約4分の1に減った。気温を8~32度で上下させても体温は20度台前半に保たれ、哺乳動物が元々持っている体温の「設定温度」が下がったことが確認できたという。

 その間、マウスは餌を食べず、動き回ることもなかった。この状態は全てのマウスで24時間以上続き、「冬眠」と似た状態だった。冬眠中の動物の体温や心拍数は低い状態で一定に保たれることが知られている。

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